財界と官僚について。 @michiya1947

ブルジョア革命は資本家階級の台頭によりその権力を封建領主から奪取した。「近代国家」の誕生である。身分制度を廃止、宗教的支配を脱し、法律を最高の位置に高め、それを官僚が運営する。法律と官僚と軍隊が「国家」の三大要素で有り本質である。国民は国家の被支配者的存在である。

国会は国民の代表が法律を決めたりする国の最高機関だと見える。国会は内閣行政府(国会議員から選ばれる形)が官僚の練った法案を提出し審議するにすぎない。内閣は行政府で有り、官僚を統括する形にはなっている。実際は全く逆で有る。官僚達は国民を代表としない。内閣を通して被支配者たる国民の意見を取り付けるだけである。

主権者たる国民は従って常に官僚組織のお目付役を任される。しかしこれも実際は殆ど機能していない。官僚組織は資本家階級による革命によって誕生した。従って官僚組織は常に国民ではなく現在の権力者たる資本家階級の意向によって動く。国民の意向は刺身のツマ程度のものである。

太平洋戦争は資本家階級が軍部を使って政府をいとも簡単に牛耳って行った行為で有る。また原子力村に見られる構図もよく「政官財癒着」と言うが本当は「財官政」で有り、中心は財閥なのだ。敗戦後GHQは占領政策の柱の一つに「財閥解体」を掲げたのもそういう理由による。

マッカーサーは実際に手を付けたのだが、朝鮮戦争の勃発によりこの政策も中途半端に終わり、再び財閥は形成されて行った。それが三井、三菱、住友、の三大財閥として日本の経済の中心を担っている。三菱財閥だけでも系列企業は2万社ある。三井、住友も似た様なものだろう。この財界の発信団体が「経団連」なのだ。

夫々の財閥は中核企業20~30社の会長、社長などが定期的に会合を開いている。そこで決定された事を経団連や官僚に伝える。そしてその意向で政府や国会を誘導する。安倍を三菱重工の番頭と呼ぶのはそういう構図が見え見えだからだ。

こうした財閥企業は「一流」と呼ばれ、給料もいいから、そこで働く労働者、サラリーマンも資本家階級に取り込まれる。総資本対総労働の対立になりにくい。こうした企業の労働組合は当てにならない時代になっている。取り込まれてしまっている。今の民主主義の制度は国民が行政に関わる事を許さない。






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