ハラスメントは犯罪です。

ハラスメント行為は、犯罪であり、企業も対応次第ではその責任を重く取られます。

 性的要求などを伴うハラスメント行為をセクシャルハラスメントと呼び、権威や地位を利用したハラスメントをパワーハラスメントと呼びます。

 しかし、ハラスメントの告発は、無過失であっても被害者に二次被害が及ぶ可能性が高く、被害者が泣き寝入りしてしまうことが多いのが実体です。そのため、加害者側がその加害の程度をエスカレートすることが多く、常態化してしまうケースが多いのも事実です。

 企業におけるハラスメント行為に関しては、民法第715条「使用者責任」、民法第719条「共同不法行為責任」、民法第415条「債務不履行」が適用され、企業にもその責任が問えることになっています。また、被害者から対応を求められた場合、その対応を疎かにすると職場環境配慮義務違反(労働安全衛生法違反)にもなります。

 パワーハラスメントにおける性的行為(接触など)は
【強制わいせつ罪(刑法第176条)】6ヶ月以上10年以下の懲役が適用される可能性も高いと言えます。

 現在、日本では上場企業には、金融商品取引法などにより、コーポレート・ガバナンス体制(企業統治)を構築し、その状況の開示と適格な運用、企業運営上のリスクの開示が求められております。また、ISO26000により、企業の社会的責任活動がガイドライン化され、この順守も求められているわけです。

 このため、企業は違法行為などに対する内部や外部からの通報窓口を設置しており、窓口に通告があった場合、すみやかに弁護士などの第三者を交えた調査委員会などを設置し、被害者の人権を守る努力をしながら、調査し、再発防止活動を行い、問題があった場合、プライバシーに考慮した上で、情報公開する義務があるわけです。

 特にハラスメント案件の場合、重大な人権案件であり、被害者が申し出にくい案件である為、第三者からの通告に真摯に対応しなくてはいけないわけです。また、犯罪を知りながらの隠蔽や隠匿行為は、犯人蔵匿罪や証拠隠滅罪が成立する可能性すらあるのです。

 正常な企業統治を出来ていない(コンプライアンス体制不全)企業に対しては、上場企業やファンドなどは資金提供や投資できない仕組みになっており、企業統治の不全は会社の存続を脅かす行為であるとも言えます。

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