素晴らしいの一言。グルスキーといえば巨大作品のイメージだが、小品も多く出展されている。グルスキー作品の要はそのアングルにあると言ってもいいと思うが、気になるのはそのアングルの種類。代表的な作品の多くが対象の正面に対して水平の角度から撮影し、デッドパンの妙を見せているのに対し、初期作の「ガスレンジ」や「釣り人」「スキポール空港」は対象を斜めから捉えている。この斜めからのアングルの場合、その対象の単純さゆえ“美術としての写真” から少し遠のくような印象を受ける。
そうは言っても全体としては非常に満足できる展示。プラダシリーズやオーシャンシリーズ、水面を捉えたシリーズなどは最高に美しい。点数も多く、見応え十分。
残念な点は①作品に近づくと鳴る警告音は少し気になる。神経質な方は耳栓やオーディオガイドをお勧めする。(私は作品を観ている間は魅了されてあまり耳に入らなかったが、混むと酷いかも。)
②作品リストと展示されている順番が全く違う。③キャプションが作品からかなり離れた場所にあるので、作品鑑賞の途中で見ようとすると若干煩わしさを感じる。
といったところ。

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