鳥取県関金温泉の若女将募集はなぜ失敗したのかから学ぶ/商店街の活性化よ町興しでもよく起きる現象/【シリーズ】ローカル線はなぜ活性化しないのか



宿泊客の減少に悩む鳥取県倉吉市関金町の関金温泉が活性化の起爆剤にと、東京や大阪などの都市部で暮らす20~30歳代の女性を対象に、接客や温泉のPRを行なう若女将として、市の非常勤職員で雇用する公募を始めたものの、反響がほとんどないそうです。
4月から募集開始し5月には大阪、名古屋、東京で説明会を開いたものの参加者は大阪の4人、東京、名古屋に至ってはゼロ、問い合わせすら1件しか無いという酷い状態のようです。
最終的な応募件数も、どうやら1件だけのようです。
こういうものは、興味本位、冷やかし半分含めても問い合わせくらいはあるものですが、それすら無いというのは、いかに認知度が低いかの表れです。
給与は月額14万5000円と決して高くはないものの、住む場所や着物、移動手段の軽自動車も市側が支給すると言う事を考えれば、金額ほど悪い待遇ではないでしょう。
ではなぜこうなってしまったのでしょう?
つまりこれ、いつも私が言っている「手段の目的化現象」と「ミッションクリティカルではない活動」「病気の人を家族が手術する行為」と言う事です。
こちらで指摘したとおりです。
http://www.twitlonger.com/show/n_1rk8fgt
なぜこんな事が起きてしまったのか、以下詳細に検証してみました。

【手段の目的化現象】
今回、若女将募集を活性化の起爆剤にしているそうですが、おそらく関係者の方は募集することに満足してしまっていると思われます。
自分達仲間内で集まって、盛り上がって、Facebook作って・・・関係者はもう満足です。
「起爆剤」というのなら、この起爆剤に誰かが火をつけてドカンと爆発させないと意味がありません。
でも、こういうところは起爆剤準備したらもう満足なのです。
だから、誰も起爆剤を爆破させなかったのです。
それか、起爆剤をもってきたら、あとは自動で爆破するんだという、とんだ操作ミスをしているわけです。
だから一向に爆破しません。
起爆剤を持ってくるというのは、あくまで「ドカン」とやる手段であって、持ってきただけでは爆破しないので目的は達成されません。
それを持って来たら満足してしまう・・・これが手段の目的化現象です。
この現象は全国あちこちの活性化運動で起きる過ちで、たとえば最近だとゆるキャラがその典型です。
ゆるキャラと言うのは町を知ってもらう手段であって、ゆるキャラを作る事が目的ではありません。
でも、こういう所は「なんかブームだからうちらもやればブームになれる」論理で、ゆるキャラ作れば後は色々なマスコミが来たり、イベントに呼ばれて人気になる論理で作った後は殆ど何もしません。
せいぜい無節操にそこら中にキャラクターを張り出す程度です。
萌えキャラクターもそう、キャラクターを作ったというのは話題になるきっかけに過ぎませんが、作っただけで満足、そのキャラクターのホームページも無く、どういう設定のどういうキャラクターなのかもさっぱり分からず、ただそこら中にキャラクターを貼り出している・・・
これではなんだかよく分かりません。
キャラクターを作ったのなら、そのキャラクターに人格を与えて育てていかなくてはなりませんが、作っただけで満足するとそういう事は一切やりません。
御当地グルメも同じで、御当地グルメを作ったら満足して、どうやったらお客様に知ってもらい、食べに来てもらうか全く考えていないところも多数あります。
ツイッターはあるものの、連日、本当に「ウヒャー」みたいな奇声を一日何回もツイートしているところがあります。
一応そのキャラクターの声ということのようですが、始めて見る人はそんな設定なんて分からないのですから、タイムラインが「ウヒャー」「ピャー」「キャー」なんて言葉で埋まっていたら、気が狂っているのかと思われます。
もっとお店や地元を紹介する「コンテンツ」や、キャラクターが愛されるコンテンツを掲載すべきではないでしょう。
つまり、グルメとキャラクター作って満足してしまって、どうやって情報発信する事が最適なのか、全く考えていない証拠です。
これらは全て「手段の目的化現象」です。

調べてみると、関金温泉のPRはどれもそうで、
ブログ
http://sirogane1126.blog.fc2.com/
ツイッター
https://twitter.com/sirogane1126
どれもそうで、アカウント作ったら満足、どうやって多くの人を呼び寄せて、読んでもらうか全く考えていません。
ツイッターもフォロワーは三十名で関係者やどこかの企業、行政ばかりで、一般の方には全く届いていません。
何から何まで、何かを始めたらもうそれで満足で、お客様を呼ぶ事を考えていません。

まず、どんな良いサービスであっても、多くの人がその事を知らなければ、そのサービスが生きる事はまずありえません。
つまり、何かをする事と、どうやってPRするのかは常にセットです。
それをミッションクリティカルに遂行してはじめて成功します。
でも、活性化に失敗する所は、常にイベントだ、キャラクターだ、グルメだ、ツイッターだ、Facebookだと何かをすることばかりに注力し、PRする事、つまり起爆剤を爆破するにはどうするかを全く考えていない特徴があります。
関金温泉の若女将募集はまさにそのパターンです。

【ミッションクリティカルではない】
新聞に、失敗した原因についてこう書かれています。
「事前にインターネットで告知したり、まちづくりNPOなどに協力を求めたりしたが、知名度不足を痛感した」
以前からいつも言っていますが「インターネットで」というのは愚の骨頂です。
インターネットが悪いと言っているのではありません。
ちゃんと使いこなせば良いのですが、大抵こういう所はインターネットに上げればあとは世界中から来てくれるみたいな大きな思い込みをしています。
毎日数万人が訪れているようなページなら、それでもまだ多少なり意味がありますが、お客様が減って「活性化だ」と始まるところはそもそも殆どホームページまで人が来ていない状態ではないでしょうか?
そんな人がいないところで告知したら、誰の目にも触れないという至極当たり前の事すら全く気付かないのがローカル線の活性化や町興しで起きる現象です。

実際あるローカル線でこんな現象が起きました。
廃線の危機で住民に利用を呼びかけるんだとポスターを作りましたが・・・
駅や電車内に貼ってどうするのでしょうか?
普段利用しない人に利用を呼びかけるポスターを普段利用している人の目にしか触れないところに貼って何の意味があるのでしょう?
十分に予算があって、何万枚とポスターを作って、余っちゃっているんで電車内にも貼りましょうかというのならいいでしょう。
でも、限られた予算で数十枚だけ作ったポスターなら、最も効果的な使い方をすべきです。
例えば30枚ポスターを作ったのなら、市内で最も効果のありそうなところベスト30を選び出し、そこに貼るべきではないでしょうか?
それを普段利用しているひとの目にしか触れない駅や電車内に、しかも何枚も同じ場所に貼り出して何をしたいのでしょうか?
結局、こういう人たちは作る事に満足する「手段の目的化現象」が生じ、作っちゃって満足するため、どうすれば効果があるかというミッションは全く考えないのです。
ホームページも同様で、ホームページ作った事で満足して、ホームページにどうやって人が来てもらうかは全く考えていません。

Facebookで募集ページを作っていますが、これも最悪です。
https://www.facebook.com/sekigane.wakaokami
Facebookがダメだとは言っていませんが、なぜFacebookだったのかです。
ネット上にはブログ、ツイッター、mixi、ホームページなどなど様々なサービスやシステムがあります。
もちろんそれらには特徴があり、一長一短です。
であれば、それらの特徴をそれぞれ吟味して、最適な物を採用すべきです。
なのにどうしてFacebookだったのでしょう?
大抵の所はこういいます。
「ブームだから」
では一体どれくらいブームなのでしょう?
こちらに分析資料が出ています。
http://todo-ran.com/t/kiji/13949
東京都だけは突出して利用者が多いもののそれでも50%には達しておらず、他の都道府県でも5%前後、他の調査なども見ても国民全体の普及率は日本では1割り程度だと言います。
つまり、9割の人が利用していないところで、情報発信すると言うのはおかしいとなぜ気付かないのでしょうか?
何も考えていないからです。

以前、この指摘をしたとこ「Facebookは登録しなくても見れる事を知らないのか」と突っ込んで来た方がいました。
もちろんFacebookに登録していない人でも、Facebookを見る事は出来ます。
しかし、最初に目に飛び込んでくる画像を「キービジュアル」と言って、そのページの印象を決定付ける重要な要素があるところ、webディレクターなら相当気を使うところです。。
その最も重要なところに「アカウント登録」という画面貼り付けて、キービジュアルを潰してどうするのでしょうか?
Facebookに登録している人は、ログアウトして見てみるといいでしょう。
この状況が9割の人に生じると言う事です。
これがおかしいとなぜ思わないのでしょうか?
つまり、何も考えていないのです。
Facebookだけで情報発信している所は、こういうマーケット分析もしていなければ、お客様がどういう印象を受けるのかとか全く考えていない証拠なのです。
こんなお客様動向の分析も出来ないようでは、客離れが起きるのも当然の事だといえます。

それとFacebookは慣れればまだしも、いきなり見るとどこにどんな情報があるのかさっぱり分かりません。
お客様が最初来た時に、一番知りたいのは「概要」ではないでしょうか?
たまたま何かのきっかけでそのページをに来てくれても、なんだかさっぱりわからない状態で来るのですから、まずは概要が知りたいはずです。
ところがどこに概要があるのか分かりません。
一応、基本情報から下がっていけば市のページにリンクしていますが、お客様に「捜せ」というのは失礼極まりない行為です。
さらに、この「発見隊」というのがどういう組織なのか、市とどういう関係なのか、どういう人たちが何の目的でやっているのか、そういう基本的な情報が全くありません。
「サービスが良い」と思われるのは、お客様が抱えている問題を先手先手で解決するから「サービスが良い」と思われるわけです。
例えばディズニーランドでは三脚持ち込み禁止です。
では家族で記念写真撮る時、お父さんとかが撮影する事になりますが、そのときお客様の抱えている問題は何でしょうか?
「出来れば家族一緒で写りたい」という事ではないでしょうか?
そのため、ディズニーではお城の前など撮影の名所にはシャター押し専門のキャストを配置しており、お客様が撮影しようとしたら「シャッター押しましょうか」と積極的に声をかけます。
だから「サービスが良い」と言われるわけです。
でも、ここにはお客様が求めているものが求めているところに全くありませんし、探してもよく分からない状態です。
そんな誰が何の目的でやっているかも分からないところに誰が応募してみようと思うでしょうか?

【病気の人を家族が手術する行為】
しかしなぜこんなメチャクチャな状況が生じるのでしょうか?
いつも出している例えですが、「最愛の人が病気になったらどうしますか?」
言うまでも無く、皆さん病院に連れていくでしょう。
つまり、医者という専門家に対応を任せると言う事です。
いくら愛していて、いくら助けていと思っても、医学の知識が無い人は助けることなど出来無いのです。
しかし、何の知識も無いのに親族が家で手術を始めるようなクレイジーな事を行なうのが、活性化運動でよく起きます。
実際今回も、Facebookで募集告知していますが、なぜFacebookだったのか、マーケットリサーチなんて全くやっていないのでしょう。
要するに、病気で言うと検査データすら全く見ていないと言う事です。
そもそも検査すらしていないでしょう。
検査データも見ないで手術を始めるなんて、クレイジーとしか言えません。

そしてこういうところでよくあるのが、自分達で盛り上がっちゃってお客様目線が全くなくなることです。
前々から指摘していますが、例えばおもてなしだと列車降りてきた人に手を振るキャンペーンをしますと。
それで住民集まって手を振って「もてなした」と自分達は大満足、駅舎出たお客様はバスどこから乗るのかさっぱりわからないと。
お客様が求めているのは手を振ってもらうことではなく、バスどこから乗るのかを知りたいのではないでしょうか?
でも、こういう所は自分達で何かする事に盛り上がってしまって、お客様が何を求めているか、お客様がどういう印象を受けるのかなどは全く考えていません。
要するに、お客様目線ではなく、自分達目線でしか考えていないのです。
マスターベーションにしかなっていません。
これではお客様が来なくなって当然です。

若女将募集のページですが、まさに内輪で盛り上がっているだけです。
https://www.facebook.com/sekigane.wakaokami
最初に出てくるキービジュアルがそれを象徴しています。
この「若女将募集」、タイトルの付け方が最悪です。
「若女将募集」と銘打っているのですから、誰しも「若女将」を募集していると思うでしょう。
しかし実態は違うようです。
募集の主体は言うなれば「キャンペーンレディー」の募集です。
ここに募集要項があります。
http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/10327
だけど「女将」と書いてしまったため、安月給で働かされると勘違いした方が大勢いるようです。
さらに募集のチラシでしょうか、画像がありますが・・・
https://fbcdn-sphotos-b-a.akamaihd.net/hphotos-ak-ash3/946943_194992733984589_493578919_n.jpg
これも酷いチラシです。
このチラシを読んでも、何の募集をして、何をするのか具体的なことがさっぱり分かりません。
「詳細は踊る!関金温泉若女将発見隊で検索してください」とあるものの、出てくるのはFacebookでそこにも満足な情報がありませんし、Facebookに言ったら、詳しい事は市のページに行けとたらい回しです。
何一つ考えていません。

それと、お客様目線が皆無の象徴もまたFacebookです。
この画面の先に、何があるのか・・・
全く考えていないのです。
若い女性を募集しようというページなら、画面の向こう側いにいるのは若い女性ではないのでしょうか。
つまり、その若い女性に向けておじさん達が双眼鏡向けてニヤニヤしているというのがこのキービジュアルです。
気持ち悪いと思われるのではないでしょうか?
なんでこんな画像使ったのかと思ったら、「発見隊」という名前なので、探しているというイメージだとは思うのですが、これではタダの覗きですよ。
Facebookにもおじさんの写真が多数手出来ますが、おじさんばかりのところに若い女性が来ようと思いますか?
自分達が盛り上がっているだけで、全く相手の立場、印象なんて何も考えていないのです。
若い女性を募集するのなら、若い女性を前面に出したページ構成にすべきで無いでしょうか?
基本情報のページを見ても「果たして若女将を連れて帰れるのか」、全てが自分達視点です。
「連れて帰る」ではまるでさらわれる印象ではないでしょうか?
応募しようという女性の立場とか、印象とか、イメージとか、全く考えていないのです。
自分達が、盛り上がっているだけで、相手の事なんてまったく考えていないのです。
これではお客様も離れれば、応募も無くて当然です。

その他にも、「関金温泉」の案内がどこにも無い事です。
やっている人たちは当然地元の方々ですからどこにあるか分かっているでしょうが、地元以外の方は「関金温泉」と言われてもどこにあるのか分からないところから話が始まります。
鳥取県といわれても、鳥取県がどこにあるのかもよく分からないという人が多いのではないでしょうか?
であれば、まずはどこにあるのかという基本情報が必要です。
でも、この募集ページには全くありません。
Facebookのコメントも、殆どが自分達で盛り上がっているだけの内容で、お客様に伝えようというコンテンツではありません。
例えば5月18日「入れない名湯『温清楼』をのぞいてます」と、書かれていますが、読んでいる人の事を全く考えていません。
自分達は『温清楼』というのが何の事か分かって書いているのでしょうが、読んでいる人はそれが何なのかもさっぱり分からなければ、何で入れないのかも全く分からないのです。
であれば、始にそれがどういうところで、なぜ入れないのかという説明をして、関連ページにリンクするくらいの事は必要ではないでしょうか?
読んでいる方はチンプンカンプンです。
つまり、常にお客様の立場で考えるという事が全く出来ていないわけです。
先のチラシも、自分達がアピールする事ばかりが書かれていて、これをみた若い女性が「行って見たい」と思わせる内容は一つ書かれていません。
Facebookにも「まずは来て下さい」を連呼していますが、詳細が分からないところに行くはずがありません。
これ、全国の活性化でき無いローカル線や町興しで起きる典型的なパターンです。
相手にどう興味を持ってもらうのかではなく、自分達が何をしたいのかが前面に来るパターンです。

これもどこでも起きる現象ですが、「魅力を伝える」ということが全く出来無いという事です。
そもそもこういう案内を作る理由とはなんでしょうか?
ページを見た方が「あぁ~、行ってみたいな、ここ」「応募してみたいな」と思わせる事が目的ではないでしょうか?
今回の募集ページも、応募してくる女性の立場を全く考えていません。
今回の募集は決して、高給ではありません。
では、そこに応募しようという方は、何を求めて応募してくるのでしょう?
まずはそこをブラッシュアップすべきです。
具体的には、既に勤めている方々になぜその仕事を選んだのか、取材したりアンケートを取るべきです。
そのうえで、応募してくる女性は何を求めて応募してくるのかを考え、その応募者の好奇心を刺激する物を出してあげるべきです。
ところが、それが全くありません。
こういう事を延々と繰り返したため、客様は減り、女将募集をしても誰も来ない、問い合わせすらないという酷い状況が生じているのではないでしょうか?

【AV女優の募集ページより酷い】
こういう比較は失礼かもしれませんが、分かりやすいので事実として記載します。
AV女優の募集ページをみて見ましょう。
まず、ここに男性が出てくる事は基本的にありません。
こういう世界は大多数が男性の世界です。
こういう世界に若い女の子が飛び込むというのは不安があるわけです。
そこに男性が案内をしても、不安を煽るだけですから、男性はまず出てきません。
同じ年代の女の子が案内します。
そっちの方が安心できるからです。
次に、こういう世界に来る娘達の主たる目的はなんでしょうか?
ズバリ、お金です。
そこで、いくら稼げるのか、いつから稼げるのかが明示されています。
(実際は記載ほどではないにしろ)
さら、応募してくる娘たちのもっとも不安な事はなんでしょうか?
親バレです。
だから、「アリバイ会社」というのがあります。
親が「あんなどこに勤めているの」と言って会社に電話しようとしても、ちゃんと「○○さんは外出中です」と言ってくれるアリバイを偽装してくれる会社まで準備しています。
上京してくる娘には寮も完備しています。
若女将募集とAV女優募集を比較するのは失礼かもしれません。
でも、応募してくる側の立場になって、徹底的にその不安を排除するシステム、応募したいなと思わせるPRをしている点については学ぶべきだと感じます。

今回の若女将募集はけっして高給ではありませんが、仕事をする魅力とは決してお金だけではないはずです。
テレビ東京のガイアの夜明けでやっていましたが、震災をきっかけに大手食品メーカーを辞めて、給与が大きく下がってもNPO法人で社会貢献したいという人が紹介されていました。
そういった魅力を探り出し、全面的にPRすれば、給与が少なくても「やってみたい」と思う人はいるはずです。
しかし、結局何をするのかも分からなければ、どこにあるのかも分からなければ、発見隊が何者なのかも全く分からない・・・
更に双眼鏡で覗いている写真で不安を煽り立てる・・・
これでは全く問い合わせすらないのも無理はありません。
余りにも酷いです。

結局、ローカル線にしろ、町興しにしろ、商店街にしろ、廃れていくところはこういう事を日常的かつ連続的に繰り返しているのです。

【では何をすべきなのか】
結論から言うと、プロに依頼すべきです。
最愛の人が病気で、いくら愛していて、助けたいと思っても、家で手術する人はいません。
愛していればいるほど、助けたいと思えば思うほど、医者に任せるのではないですか?
それをどうして自分達でやろうとするのか、ここが失敗する最大の理由です。
本来、お客様誘致やプロモーション、宣伝と言うのは広告代理店が行なう専門職です。
広告の掲載には様々な法令があり、資格が必要な場合もあります。
その専門職を、何の知識も無いのにやろうとしてもできっこありません。
たしかに、できたケースが無いわけではありません。
それは、関係者の中にブラックジャックがいたケースです。
でも、そんなケースは殆どありません。
結果、全くクレイジーな、正気の沙汰ではない事が、当たり前に起きていて、なぜそれが問題なのかすらも分からない、これが活性化に失敗する原因の一つです。

TBSで「空飛ぶ広報室」というドラマをやっていま。
これは航空自衛隊の広報室を舞台としたドラマです。
そのなかでこんなシーンがありました。
隊員募集のプロモーションビデオを作ろうとしたものの、予算がないため自衛官が自分達で撮影をします。
それを密着取材していたテレビ局のカメラマンから、「ダメでしょこれ」とダメ出しを食いました。
水銀灯の下での撮影はフリッカー現象という画面がチカチカする現象が起きるのですが、その事に気付かず撮影してしまいます。
また、VTRは編集するのですから、「編集点」という切れ目が必用ですが、素人だから何も分からず相手の会話にかぶせてインタビューします。
つまり編集点がくなくなり、編集のしようが無い映像になってしまいます。
インタビュアーもカメラの真横にいないと目線がおかしくなります。
撮影する、これだけの事でも、何も知識が無いままやるとこれだけの問題が起きるのです。
それを何の知識も無いのに全て自分達でやろうとすれば、それはメチャクチャな物が出来上がるのは言うまでもありません。
ここの若女将募集ページにも、動画が出ていますが、「自然が一杯です」と言っているのに、旅館の玄関でしょうか、殺風景な背景で撮影していても、その素晴らしさは一切伝わりません。

とは言っても、「広告代理店に頼むお金なんて無いよ」と皆さん言うでしょう。
でも、お金が無いからと家では手術しないはずです。
もしどうしてもお金が無くて手術でき無いとしても、なんとか回復させる事は出来無いかと色々な事を調べたり相談するのではないでしょうか?
例えば、お金が無くても謝礼程度でアドバイザーになってもらう人を探すとか、活性化に成功したところに視察に行ったりアドバイスを求めたり方法はあるのではないでしょうか?
けど、活性運動をやる人の多くはそれすらしません。
結局、何から何まで独りよがりです。
その結果が悲しきかな、今回の状態です。



■参考
ローカル線はなぜ活性化しないのか? その共通の行動パターンとは何か
http://www.twitlonger.com/show/n_1rk8fgt

ローカル線はなぜ活性化しないのか? 「富士宮やきそば」の成功から学ぶ。
http://www.twitlonger.com/show/n_1rk8eko

「くまモン」が大ブームになった理由は何か/【シリーズ】ローカル線はなぜ活性化しないのか
http://www.twitlonger.com/show/n_1rkgnfk

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