月刊エノク 宇野正美 著 No. 361 より抜粋


●北朝鮮、複雑にて怪奇の国

やがて1990年2月21日にバブル崩壊が起き、その後、20年間にわたって日本経済は坂道を下っていったのである。初めの下り方は鈍いが、やがてその下りのスピードは加速度を増していった。

気がついてみれば日本経済はデフレの泥の中であがくようになっていた。

デフレとは経済的ガンである。普通ならばそれで経済の息が止まるはずであるが、日本はその時、アメリカの経済学者たちが金融緩和を嘲ろうとも必死になって、さらなる金融緩和を進めていった。

イルミナティ・フリーメーソンによってコントロールされているアメリカ、そのアメリカが経済的にゆっくりと沈んでいく中、日本は息も絶え絶えであるとはいえ、崩壊することはなかったのである。

日本が頼りとするアメリカの正体、そしてアメリカへのイルミナティ・フリーメーソンの破壊戦略が見えようとする今、いよいよ日本は目指す自立を図らなければならないのである。

安倍政権が誕生した。

はたしてイルミナティは日本を、すなわち彼らの地球征服の最後の拠点である日本をどのように沈めようとしているのであろうか。彼らは日本の息を止めることができるのであろうか。それとも日本は世界大転換の中、かえって生き続けることになるのであろうか。

第三にイルミナティはなぜ日本を狙うのか、あるいはなぜ日本の滅亡を画策するのであろうか。

そのひとつはなんと言っても日本人の賢さであると思われる。日本の科学技術は急速な発展を遂げており、それだけでも大きなパワーを持っている。

特に日本における原子力研究の力は素晴らしいものであると考えられるのである。

イルミナティはそのような日本を許すことができない。

ついでに述べるが、はたして北朝鮮における核開発は北朝鮮だけによって行われているのであろうか。かつて北朝鮮を日本が支配していた。それだけではなく、第二次世界大戦敗北と共に満州などにいた多くの日本人、それも本当の日本の心を持った者が日本に帰ることなく北朝鮮に定住したという話がある。

かつて北朝鮮における地下資源の開発や工業力発展のために尽力したのも日本人であった。彼らは植民地である朝鮮半島の発展、またそこをベースにした工業力の発展を願っていたのである。

「国策」企業というものがある。日本国家を支える多くの国家的プロジェクトのことである。それは朝鮮半島において特に多く作られたが、今日の韓国、すなわち朝鮮半島の南部は主には農業地である。それに対して北は地下資源に恵まれ、工業的技術を考える時、北朝鮮における工業技術の発展が、そのまま日本国家のために必要であると考えられたのである。

もちろん表面的には敗戦と共にすべてを置いてそれら技術者たちは日本に帰って来たと言われるが、そのまま今日の北朝鮮に残った者たちもいたのである。

第二次世界大戦終結前に、主に満州や北朝鮮において日本の核兵器の開発は相当に進んでいたものと推測できる。


●ロシア情報、絶妙の東アジアを見る

今後、北朝鮮を中心としたアジアの動きは注目されるものと思われる。これほどまでに北朝鮮は貧しい国とされながらも滅びることがないばかりか、核兵器開発、ロケットの開発においては膨大な資金を使いながら世界を驚かせ続けているのである。

ロシアからの北朝鮮についての情報の一部をここに述べておこう。

「ここで不思議なのは、北朝鮮のような小さくて貧しい国が、長年にわたって屈することなく世界の超大国アメリカに抵抗し続けたということである。それと同時に、かつてアメリカに逆らったユーゴ、イラク、アフガニスタン、リビアなど北朝鮮以外の国は、アメリカの同盟国に滅ぼされていったのである。
ロシアの専門家たちは、北朝鮮がここで成果を上げた背景のひとつには政治体制の立派さがあると述べている。確かに北朝鮮のかつての指導者たちは日本から多くを学ぶことができた。北朝鮮は決して共産主義国家ではなく、独特な『金王朝体制』の国家なのである。そのモデルは日本の天王星であったとさえ言われている。
さらに述べるならば、北朝鮮のその体制を外側から支えているものにスターリン主義があり、アジアの伝統である儒教などもある……」

「さらにアメリカの専門家たちが述べているのは、北朝鮮をストップさせる方法はただ一つしかないとのことである。それは北朝鮮の核施設に対して先制攻撃を加えるということである。しかし、これはアメリカ自体その極東の同盟国を危険な目にさらすことになり、さらにはそのような行動を取るならば、北朝鮮の主なる味方である中国との戦争を避けることができなくなるのである」

北朝鮮と韓国、北朝鮮と日本、さらには北朝鮮と中国の動きを注目していかねばならない。いわゆるマスコミが言っているような情報は、はたして正しいのであろうか。それとも日本を含めた人々をある方向に導こうとしているだけなのかもしれない。

日本は軍事技術において、また核兵器開発において非常に優れた技術を持っている。例えて言うならば、あとハンダ付けをするだけで数千発の核兵器を出現させることのできる国家ということになるかもしれない。

日本のある国会議員はアメリカに対して、2020年までに日本は原子力発電所を通して多くのプルトニウムを作り、アメリカを凌駕すると述べていたことがあった。

日本は言われているような弱い国ではない。もちろん憲法は守らねばならないとされているが、本当に日本という国家を守ろうとするならば、表と裏を使い分けていかなければならないはずである。

このような日本の本当の力をイルミナティは知っている。それは日本においてイルミナティに協力する者たちもいるからである。

彼らは何とかして日本を押さえ込もうとしている。東日本大震災はそのような目的のために起こされたものと考えられる。

人工地震兵器、すなわちHAARPを使って福島沖の海底において大地震を起こし、津波を起こし、福島原発をストップさせたのではないであろうか。

あの大地震が起きた時、時を移さずアメリカの第7艦隊の主要部隊が三陸沖に姿を現したことは、まさに奇跡というほかはない。

「トモダチ作戦」などと言われているが、それは表向きの話であって、イルミナティがアメリカを使って日本を押さえ込もうとしたともとれるのである。

空母ロナルド・レーガンをはじめ多くの駆逐艦、巡洋艦が沖合に姿を見せたのは、まさに異様というほかはないのである。


●イランも使う、「日本シナリオ」とは何か

その気になればすぐに核武装もできる……このことが「日本シナリオ」と言われている。またこのようなことが政治的水面下において行われていなければ国家を守ることは不可能であろう。今後ますます激動激変の時代に入っていく。食糧や水、あらゆるものが奪い合いの時代に入るのである。日本がその中で生き残っていくためには、今から六十数年前の第二次世界大戦終結時のままであってはならないのである。

先日発売された「ニュー・ワールド・ビュー」誌(2月25日号)においてこの「日本シナリオ」のことが、イランの核武装と併せてロシア情報として述べられていた。

「核拡散防止条約(NPT)は核保有国を国連常任理事国(米英仏中露)に限定し、それ以外の国の核兵器開発を禁じてはいるが、国際社会ではすでに核の拡散を止めることはできないのである。インドとパキスタンが事実上の核保有国となり、イスラエルも大量の核兵器をすでに保有している。
このような中で懸念されるのがアメリカとの対決図式を作ってきたイランだったのである」

「……しかし、国際法から見れば、アメリカがイランを批判することはできないのである。NPT条約に調印したイランは、原子力の平和利用を行う権利を当然持っているからである。
アメリカ情報機関さえもイランが核兵器を製造する方針を決めていないことをすでに明らかにしているのである(これではアメリカは無条件にイラン攻撃を行うことはできない)。その代わりイランはいわゆる『日本シナリオ』を実施しようとしている。
それはいかなることを指すのであろうか。すなわち、やろうと思えば短期間で核兵器を製造できるような研究、さらにはその開発下準備を進めていくという方法である。
しかし、それを受けてイランを罰することは誰もできない。なぜならば、いわゆる『日本シナリオ』を基にして発展していく国々が多くあると考えられるからである。
国際社会がそれらの国に制裁を加えることは不可能である。」

このように日本のやり方が非常に賢明であり、また日本という国は表面的にではなく、裏において強い力を持っていると思われているのである。

思えば1941年(昭和16年)12月8日、当時の日本が、それも満州事変、対中戦争のあと当時の超大国アメリカに挑んでいったのである。そして4年間にわたって全力でアメリカと戦った。もちろん多くの犠牲者が出た。しかし、アメリカといえども真剣にならざるを得ないほどの戦いだったのである。

戦後、アメリカが日本を完全に押さえ込んだと思っても、日本の生命力はそれを超えているのである。

「日本シナリオ」という言葉がロシアから伝えられたということは非常に興味のあることである。ロシアばかりでなく、世界の多くの国々が日本という国家をどのように見ているかを想像することができるのである。


●「防衛のためならば、核兵器も保持できる」

今後、イルミナティはフリーメーソンによって日本をあらゆる面において封じ込めようとするであろうが、日本はその中を生き続けていく。

1960年(昭和35年)、当時の首相は岸信介であった。日米安全保障条約の改定を果たしたが、米ソ冷戦下、新たな同盟関係を結び、日本はアメリカの「核の傘」に入った。「反米」「反核」を掲げ日本中を席巻した安保闘争は岸信介を退陣に追い込んだが、原発には触れずじまいだったのである。1964年に中国が核実験に成功すると、直後に首相を退いていた岸信介の実弟、佐藤栄作のもとで、核兵器に転用可能な原発技術を利用した「潜在的な核保有」(これこそが先に述べた日本シナリオである)が密かに検討されていたのである。

そのことを具体的に述べるならば、佐藤栄作首相のブレーンで沖縄返還交渉の密使を務めた国際政治学者のYが、1964年、中国が核実験に成功してすぐに、その対策として核兵器に転用可能な原子力技術を高めるべきであるという報告書をまとめていたのである。その中でYは次のように結論づけている。

「わが国はあくまでも自らは核武装しないという国是を貫くべきであると考えるが、しかし、もしもそれを強いられてどうしてもやらざるを得ない場合には、いつでもやれるのだという潜在的な能力、つまりそれに必要な科学・技術水準及び工業力基盤等の総合国力を、常に中国よりも高いレベルに引き上げておく努力を真剣になすべきである。そしてわが国の偉大なポテンシャルを日本国民並びに中国を含む諸外国にはっきりと認識させ、日本は充分その能力はあるが、自らの信念に従ってやらないだけなのだということを内外に明示するためにも、原子力の平和利用(例えば商業用原子力発電や原子力商船の建造から制御核融合研究などに至るまで)に大いに力を注ぐと共に、他方では日本が国産のロケットによって日本の人工衛星を上げる計画を優先的に検討するよう提案したい」

Yの内閣調査室に提出されたこの報告書の題は「中共の核実験と日本の安全保障」であった。

時代は少しさかのぼるが、岸信介内閣が成立した時のことである。時は1957年(昭和32年)5月7日である。ちょうど6か月ほど前に、日本はアメリカからの原子力技術導入で、初めての原発建設を発表していたのである。

参議院内閣委員会で岸信介首相の発言で騒然となった。

病気で倒れた石橋湛山の後を継いで3か月足らずで首相として初の国会審議に臨んだ岸信介は、核兵器の保有が戦後の平和条約に触れるかとの質問を受けた時、答弁しているのである。

「核兵器と名前がつけば、いかなるものもそれは憲法違反と、こういう法律的解釈につきましては……(中略)……その自衛力の本来の本質に反しえない性格を持っているものならば、原子力を持ちましても私は差支えないのではないか、かように考えております」

自衛のための核保有ならば「これは合憲である」という考え方を示したのである。

当時、広島、長崎に原爆投下がなされてからたった12年しか経っていなかった時である。戦後の首相が公の場で核保有に言及したのはこれが初めてである。今日の安倍晋三首相はこの岸信介の孫にあたる。安倍首相の本音は憲法改正であると思われる。そのためにはどうしても今年夏に行われる参議院選挙で絶対的勝利を獲得しなければならない。そのためには経済をデフレ状態からできるだけ成長させておかなければならないし、多くの日本人に経済的満足を与えなければならないのである。

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