えーと、書いちゃったからとりあえず投げるね…あ、ちなみにお題からです|かいへのお題:いつの間にか、きみのためになっていたんだ/(なんてばかばかしいことを)/背中合わせの恋 http://shindanmaker.com/122300
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向き合って笑いながら牙を剥くような、そんな恋だと思っていた。睦言の代わりに血濡れた刃を突き出して笑う、そんな恋にしかなれないのだと。(あーあ、ばかみたい)脂にくすんだ手裏剣をくるりと回して、佐助は自嘲する。(だって、そんなの旦那の為にならないと思ったんだよ)だから疎まれるのを承知で、似合わぬ苦言を呈しもしたのだけれど。「旦那ー、ほどほどにねー?」声を掛けた先で、鮮やかな紅が笑う。ばかばかしいほどに曇りのない眼で。「莫迦を言うな佐助!そこに政宗殿が居られるのだぞ!」楽しくて堪らないと言うように駆けていく背は子どものようだ。まさむねどの、と紡ぐ声はいつも、何処か光に似ている。「俺様、独眼竜にお礼とか言わなきゃなのかなあ。うわあ、すっごく嫌」「何か言ったか、佐助!」「いーえー、何でもー」別のものを目指していても、いつもただひとりに存在そのものを支えられている。まるで世界の真ん中に、背中合わせに立つように。そんな恋もあるのだと知らされたところで俺様の苦労が報われる訳じゃないんだけどね、思いながらももうその背は追わずに、忍はまたくるりと銀の刃を回した。

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