自ら変わることができない九州電力は、今後間違いなく起きるであろう電力業界をめぐる環境の激変の中でとり残されていくことになるだろう。年末に、政府は、電力業界の抜本的な改革へ向けての論点として、「発送電分離」の問題や、一般消費者向けの電力の小売りの自由化などを示している。これらのことが近い将来に実現されていき、それが電力業界の経営環境に大きな変化を与えることは必至だ。
 圧倒的な企業規模を誇る九州の巨大企業九州電力は、恵まれた環境下で繁栄を謳歌していた巨大恐竜のように急激な環境変化には適応できない。だからこそ、今回の問題は、九州電力という巨大企業が劇的に変わるための絶好のチャンスであった。しかし、その対応は、何も変えたくない、変わらない、というものでしかなかった。九州電力は地球の歴史の中で、恐竜が、寒冷化、隕石の衝突等による地球環境の激変によって絶滅したのと同じ運命をたどることになりかねない。
(拙著【第三者委員会は企業を変えられるか 九州電力「やらせメール」問題の深層】http://amzn.to/XIu2nv「あとがき」から抜粋)

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