石原慎太郎都知事が知事辞任・新党結成を表明した記者会見の冒頭発言の起こしは以下の通りです(赤旗政治記者の仮起こしですから、あくまでもご参考まで)。
(2012年10月25日15時~=J)

 私は、あのー、諸般の事情に鑑みてですね、えー…今日をもって東京の都知事を辞職する…することといたしました。

 えー、このあと、中村議長あての辞表を提出してきますけども、あの、議会がですね開かれて、辞任が認証されるのは1週間程度でしょうな、自治省によると。

 まあ、あのー、じゃあ、なんでですねえ、知事を辞めてね、何をするのかということでしょうけども、あのー…私、14年間、足掛け、正確には13年と8カ月、ま、4期にわたってですね、えー、都知事務めてまいりましたが、ま、東京というですね、その、いつもいっていることですけれども、日本の心臓部、頭脳部に当たる、この大都会、大首都のですね行政を担当して…くる間に、これなんといっても、そのー、口幅った言い方ですけども、他の県とちがってですね、そのー、それぞれの県もそれぞれの意味合いがあって、国にとって欠かせないものですが、まあ、しいて言えばですね、日本の心臓部であり、えー、頭脳部であるこの東京の問題が、まあ、すぐにひいてはですね、日本全体の問題になってくると思いますし、そのつもりで、私も25年間国会議員をやりましたし、何度か閣僚もしましたが、ま、それをですね踏まえて、東京を預かる限りですね、東京のためだけではなくて、この…日本のためになることをやってこようと思いましたが…国とのかかわりの…行政にかんしてはほとんど、国の妨害にあって、非常に苦しい思いをしてきました。

 おそらくですねえ、私これからもう1回国会に復帰しようと思っています。新党つくって、その仲間といっしょに、復帰してやろうと思っていますが、これから、まあ、やろうとしていることは、すべてですね、東京都知事として過去14年間やってきたことの延長です。

 で、いつもいっていることですけれども、あの…(苦笑しながら)私、共産主義はきらいですが、現在の中国共産党のあの政府をですね樹立した、ま、彼は国父とされているようですけど、毛沢東がですね書いた方法論にね『矛盾論』『実践論』という非常に薄っぺらい、しかし非常にですね印象的な…私学生のころそれ読みましたが、えー、テキストがありましてねえ、そのなかでねえ、とくに『矛盾論』、つまり矛盾ってのが目の前にある厄介な問題っていうことですが、その…矛盾を解決するためには、そのー、目先のですねえ、問題の背後にあるもっと大きな矛盾…それをですねえ、解決しなかったらホントの解決にならない…と毛沢東はいっています。まさにその通りだと思いますねえ。

 で、私たちがですねえ、できれば国政…自身の発意で、そのー、解決してもらいたい矛盾っていうのを、しかも大きな矛盾っていうのをいくつか抱えています。えー、その最たるものはですねえ、占領軍が一方的に与えたあの醜い日本語でつづられた憲法だと思います。これはですねえ、いろんな悪い影響をですね日本に与えてきたし、あのー…吉本隆明の言葉ではないけれども、一種の共同幻想っていうのを培った。これは、あのー、ま、絶対平和というですね、日本人独特のパシフィズムですね。それから、さらにですねえ、この…あの憲法の非常にイビツなその権利と義務というもののインバランスというものが、日本人にですねえ、非常に害悪を培ってきてねえ、えー、国民全体が非常にセルフィッシュになってきたし、それにですね政治がゲンコウ(減光?)せざるをえなくなったという、ま、今日の状況をつくったと。これはですね、私はねえ、私たちが解決しなくちゃいけない主要矛盾の最たるものの一つだと思います。

 それからさらにね、具体的行政ということになりますとね、日本の財政というのはピンチでありますけども、うーん…しかし日本はまだまだ余力がある。あるけども、それを引き出せない、使えない…えー、しかもですね、それを中央官僚まで把握しながらですね、隠している。

 私が、あのー、申し上げたいことは、東京というですね、首都の行政を預かって、国家との摩擦のなかで感じてきたことは、この国を実質的にですね牛耳っている中央官僚の独善、うーん…彼らはね、自分たちの特性っていうものを、コンティニュィティー、コンシステンシィー、ま、継続性と一貫性といいますけども、この変化の激しい時代にねえ、継続性、一貫性っていうことにこだわっていたらですねえ、何ができますか。中央官僚の一番の欠点は発想力がないことです。ないからですねえ、自分のある役職について、自分のですねえ、責任に任された問題については絶対に自分で判断して解決しようとしない。われわれ通産省と軋轢起こして辞めた古賀(茂明?)君ですか? 彼は、あのー、尖閣の問題でも、外務省を批判していっていましたが、これは外務省だけじゃなしにですね、全部、日本の国の役人の通弊ですと、彼自身が告白してた。自分の手に預けられた問題をですね、自分の手で解決しようとしない。全部棚上げにしてあと送りする。そういうねえ、通弊っていうものを私たちは変えなくちゃいけないし…、これはねえ、地方がそのおかげでどれだけ割を食ってきたか。

 たとえば、まあ、このなかのみなさん、都庁詰めの方が多いから、私が年中いってきたことですけども、メディアはですね、なんでこれを批判しないんですか。日本のね、国家の会計制度っていうのは、こんなバカげたものはありませんよ。単式簿記なんて、大福帳にも及ばないね、こんな会計制度でやっている国は先進国には一つもない。日本の周辺にも強いてあげると北朝鮮とパプアニューギニアとね、フィリッピンとマレーシアがそうでしたかな、マレーシアは少し変えつつあるけども、なんで発生主義、複式簿記にしないんですか。なんでですね、法律をつくって地方自治体には外部監査を入れていながら、入れろといいながら、まあ、ほとんど入れている自治体はないけど、東京は入れています。やっぱり外部監査のね、専門家である公認会計士に、都の財政を洗ってもらうとですね、私たちにとっても目に届かない問題がいっぱいあるのがわかってくるんだ。

 じゃあ、国はなんでやらないんですか。複式簿記にして発生主義にして、外部監査を入れたらいいじゃないですか。会計検査院があるから、会計検査院っていうのは、内部監査と同じ、役人が役人を調べるんです。そんな機構でですね、この単式簿記でつくられている財政の虚構っていうのは暴かれるわけがないんだ。経済界もこれに疎くてですね、私、歴代の経団連の会長にいってきた。えー、初めは豊田章一郎、それからキヤノンのなんていいましたかなあ、それからいまのタヌキみたいなおっさん、あれにもいったけどですねえ、「はあぁー」といいながらね、だいたい知らないんだ。国が単式簿記でやっているということを。だからこの国はね、みなさんね、バランスシートがないんですよ、バランスシートが。この国は財務諸表がないんですよ。財務諸表がないね、健全なバランスシートがない国でですね、いったいどんな健全な財政運営ができますか。

 これはねえ、東京で変えたんだ。私が就任してすぐに、私の同年代のですね、ナカジさんという当時の公認会計士協会の会長に相談して、彼はですね、沖縄出身なもんですから、敗戦直後に日本で勉強できないんで、アメリカに行ってアメリカで学位とって、ライセンスとって帰ってきた。たまたま、日本でですね、その後仕事を続けて、私が就任したときに日本の公認会計士協会の会長でした。彼と謀ってですね、ずいぶんお金をかけてね、苦労しながら、最初、機能するバランスシートというのをつくって、それをベースにですね、今日の地方自治体のですね、公式な組織のための、えー……新しい会計制度をつくりました。これねえ、やっぱりその企業の会計制度とちょっと違いまして、非常に難しい点があるんだ。たとえばね、鉄道というのは国の法律だと40年たったら償却されて、資産価値がなくなるけども、この東京に日本で初めてつくられたね、浅草から渋谷に続いているあの地下鉄っていうのは戦前につくられた。この地下鉄はですね、いやあ、資産価値がないかっていったら、十分あります。商店街もできたしですね、改良されたし、あるいはですね、場合によってはシェルターにもなるしですね、そういうものをね、アセットとして換算するっていうのは非常に難しいんですがね、そこを本当に苦労して、ナカジさんはね、新しい会計制度をつくってくれました。

 ですからね、東京はそれをやりだして非常に合理化されたし、そのおかげで、財政再建できましたよ。私がきたときに東京の貯金っていうのは200億しかなかったけども、それやりだしてから3、4年間で一時は1兆1000億円ぐらいまでいったんだ。まあ、だんだん、まあ、景気の都合でそれを使ったりしてですね…で、もうオリンピックできるっていうのは4000億ぐらい貯蓄がありますし、なんで国はやらないんですか。亀井静香君はねえ、政調会長に豪腕をふるってねえ、大蔵省を随分ゆすぶったらしいけども、まあ、その経験でねえ、役人なんか脅かしたら泥を吐くというけれどねえ、それはそんな度胸のある政治家はめったにいるもんじゃないんだ。だったら会計制度を変えたらいいじゃないですか。世間並みに、世界並に。なぜそれをやらないんですか。なぜ、みゃでぃいな(メディアの?)みなさん、国民を代表しているんだったらね、このおかしな中世期的なですなあ、会計制度というものを変えようとしないんですか。

 だから民主党もですね、政権取ったら、財務諸表もない、バランスシートもない国だから、なんかとにかく節約して金搾り出そうと思うと、事業仕分けなんってことをやるから、あんなスタンドプレーでモノが出てくるわけがないんだ。ということなんですよ。

 それからねえ、えー、まだまだおもしろいことたくさんあるんだ。たとえばね、文部省、これが主導したねえ、ゆとり教育っていうのはどうなりましたか? あれでとにかくバカみたいな子どもたちでねえ、たちまち学力が落ちた。…〔聞き取れず〕公立の学校はですね、1年目から、2年目からですねえ、こんなの無視してね、土曜日の授業始めたんです。私立はまったくこのいうことを聞きませんでしたな。こういうねえ、その、自分たちの起きた…犯した過ちを文部省が公式に取り消しましたか? ゆとり教育なんてバカなね、ようするに、その、リーダーシップを。これも一つです。

 それからねえ、厚生省、これもね、私たちホントに苦労したけども、いま子どもも減ってですねえ、人口も減って年寄りが増えて、子どもの育成・養育っていうのはみんな苦労して頭悩ましている。それはねえ、都会でですね、保育所つくろうと思ったら、国の規格だったらとてもできないです。とてもできないです。たとえばね、預かっている子ども一人あたり1.5坪の遊び場をつくれっていったってね、そんなものねえ、新しい保育所を建てようと思ったら、20人、30人の子どもを預かるときにですね、20年かける1.5坪、30人かける1.5坪の土地を買ったらベラボウな値段ですよ。こんなものをねえ、なんで変えないんですか。だから私はね、ま、引退してしまったけれども、前の東JR(JR東日本?)の松田君(松田昌士元社長?)と相談して、彼らは民営化になってから国鉄線、いろんな資産もっています。もてあましているビルもあるから、それを開放して中に保育所をつくっていく、つくらしてくれと。子どもの遊び場は屋上に…そこにフェンス張ってね、そこで子ども遊ばせようなんてことに…これはねえ、もう、やり出したら猛反対食った。しかし、最初、平成13年に、42カ所でね、始めましたよ。えー、1267人の子どもたちを預かるようになった。それから、11年たったいま、東京ではね、652カ所、2万2036人のお子さんをですね、預かっている。認証保育所と。国はこれを認めないんだ。認可保育所のようにですね、補助を出さない。少し出すようになったかもしらんけど、とにかくね、正式には認めないの。こういうね、バカげたねえ、都会なら都会っていうものの土地の値段っていうものの特異性っていうものを踏まえたやつを…保育行政っていうのを、国がやらなかったらいったいだれがやるんですか。私はねえ、国が認めているにん…認証…、認可保育所と認証保育所はまったく同質のもんだと思いますよ。

 だからね、大都市は大都市で悩みがあるんです。それを踏まえてこちらはやっているんだから、そういうことをやっぱり一切役人は現場を見ないで認めない。こういう行政がずっと続いている。

 それから、まあ、私が代議士のころから取り組んできた、あの、横田の基地の問題。みなさん、いったことないでしょう。メディアの人でいった人は手を上げてもらいたい、このなかで。横田覗いたことある人いるかい? ああ、一人いた。そんなもんだよ。いってみろよ、みんな、日本で一番長いランウェイ(滑走路)持ったね、飛行機の飛んだことのない飛行場がねえ、アメリカ軍に占領されっぱなしでいまあるんだ。これをね、私はなんで活用できないんですか。日本の航空事情をね、多分みなさんもご存じない。知ってても知らん顔しているのかもしらないが、あと5年経ったら満杯になるんですよ。世界からのね、空からのアクセスというものはね、これはやっぱり経済を支える大きな大きな一つのゆえん(由縁?)になるんです。それをなんか保持しようと思ってね、さんざんやってきたけれども、外務省が怖がって動かない。まあ、かつていた谷内(正太郎)君みたいなしっかりした次官でも、なおね、最後になると…まあ、あれは私の親友だった若泉(敬)君の弟子だったから、親しくもあったんだけれども、彼でもなお、こういう人とみえてねえ、石原さん、国防総省だけは刺激しないでくださいと。ま、外務省にとってのタブーっいうのはいろいろあるんでしょうなあ。アメリカ様もそうだろうしね、こないだシナ様もそうなった。だから、今度の尖閣の問題でもね、なんでですねえ、あそこに、零細の漁民を救うために、彼らの乗っている漁船っていうのは、このホールの幅ぐらいしかないんです。台湾や、ねえ、シナの船っていうのは、このホールのですね、5分の4ぐらいある。何十人も人が乗っている。そういう零細の小さな漁船っていうのは、あそこに時化がきてね、非常に海流の激しいところで、海の険しいとこですけどね、そこで嵐がきて、風待ちといってね、私もヨットマンだから年中やってきたけれども、船をね、ヒールトゥーっていってね、風に向かってですね、微速前進させながら、後ろからシー・アンカー流すんです。そういうことをして数日過ごすとですね、油(燃料)がなくなっちゃって今度は帰れないんだ。だから、あそこにねえ、日本の零細な漁船のために、嵐を逃すための船だまりつくってやってくれと、船のプールだけつくってやってくれと。なぜやらないんですか。あそこ通航するのは、日本やですね、シナやですね、朝鮮やですね、韓国が…その漁船だけではないんだ。台湾の漁船だけじゃない。多くの船が通るし、世界全体の船が通航するあの非常な危険な水域でねえ、あの魚釣島の頂上に大きな灯台つくったら、みんなよくわかりますよ。そういうことをやってくれといってもね、外務省はそれすら反対して、野田…せめて、あれですなあ…灯台だけはつくりたいといったけど、つぶされたんだ。こういう外務省。

 それからねえ、横田の問題についても、私は、なんていったかなあ、京都から出ている前原? あれが外務大臣しているときにねえ、毎年やっているシンポジウムを、横田の問題、日米でやってて、今度は日本でやった、今回は。そのときに、(ポール・)ジアラっていう前のね、日本部長とね、前のですよ、それから前のです、直前の(在)日本の米軍の総司令官をパネリストに呼んで、二人とも、ぜひそれを開放して共同使用したらいい、そういう事例はたくさん世界中にあるんだから、やろうじゃないかということで、協力しましょうとやってきたら、まあ、パネリストが大物だと思ったせいかもしれんけど、外務省の北米局長が、前日にこの二人を呼んで、お前ら余計なことをしゃべるなと。横田の問題はね、もはや、日本のナショナルイシューじゃないんだ、くだらんことをしゃべるなよとクギ刺した。彼らビックリしてねえ、シンポジウムが終わったあと、私のところにきて、いったいこれはどういうことですかと。こういうねえ、役所。しかもですね、いままではね、これは国交省もですなあ、それから防衛省も非常にね、協賛してくれておりましてねえ、いつも協力的んだったんだけど、外務省が仕方なしに人を送ってきたんだけど、今度はこなかった。なんで人こなかったといったら、そんなところにいかせるひつようがないと。私は文句いいにいきましたよ。そうしたら前原が、一地方の行事ね、国の政府がイチイチ関与する必要はないと。オマエ、バカかと。いきさつも知らずに、偉そうなことをいって、貴様いったいどこの大臣だと。どの国の北米局長なんだといったら、シャーシャーとして、私は日本の大臣、日本の局長でございますといったけど、私はそうも思えないね。ねえ。管轄外だといってもね、この問題っていうのは、ようするにテーブルに…〔聞き取れず、「載せてねえ」?〕外務省の高官がですね、日本の航空事情がもうあと数年で逼迫しているっていうことをね、知らないですむわけがないでしょう? これも一つの事例。

 それからねえ、うーん…いっぱいあるね、ホント、いいたいことが…(紙をめくる音)。それから、たとえばねえ、日本のおそらく政治家のなかで南鳥島にいったことあるのは私一人だと思う。別にその功を誇るわけじゃないんですよ。私は、ある可能性があると思っていったんだ。そしたらもっとプラスアルファ、とんでもないことがわかった。あの南鳥島っていうのは、太平洋トラフに乗っかっててね、もともとはタヒチの近くにあった島なんですね。これはねえ、10億年かけてずーっと動いてきてねえ、日本の、まあ、うーん……東南端のですね、端っこの水域があって、ポツンとあるもんですからね、あれは回りに専管水域がある。でねえ、自衛隊もねえ、いまでは駐屯していますけどねえ、島が小さすぎてなかなかモノが運べない。今度は港をつくんなくちゃいけないと思うし、ジェット機も発着できるようなね、ランウェイをですね、まあ、私と亀井が、えー、羽田でやったみたいに、桟橋方式で延伸すると、ジェット機も着くようになるんでしょうが、とんでもないことがあそこでわかったんです。それはねえ、あすこの海にはねえ、レアアースがいっぱいあるんですよ。これをねえ、開発しようと思ってもねえ、わずかな開発費でねえ、調査だけで1日…1年間20億ぐらいですむんですけども、通産省はやらせない。通産省のその係の課長だか部長がね、他のプロジェクトをやっているもんだから、それを許さない。こういうバカな事態があるんだ。あそこでね、レアアースが取れるようになったら、日本もなにもシナにペコペコする必要はなくてですね、日本の企業は助かるんです。科学技術だってあるんです。それをねえ、やろうと思ってもねぇ、国はねぇ、本気になって乗ってこないし、政治家がそれを号令するということもない。

 まあ、とにかくねえ、東京が思いついて、東京の発想でやろうと思ったことをねえ、とにかく国はイチイチ…妨害じゃないんですなあ、知らん顔してねえ、とにかく無視してきた。やれば、都民だけじゃない、国民全体のためになることなんだ。

 排気ガス規制だってそうでしょう? 私はね、トラック業界がねえ、ホントに死ぬ思いでやってくれて感謝してるんだけど、そうしたら、それに応えて、石油業界がね、トラックもそこまでやるんだったらということで、日本ではいまだにつくってなかったサラファーフリーのですねえ、軽油をですねえ、つくって提供してくれることになりましたよ。国民、市民てのはねえ、そこまで国を思って、自分たちの子弟のことを思って協力するんだけれどね、国は全然無視している。結局、東京と同じことをやってくれたのは大阪だけだ。あとは、ワケのわからないNOXの規制、ザル法つくってね、これはアンタ方自分で勉強したらいいけど、あんなものは通用しませんよ、排気ガス規制に…。

 そういうねえ、経験を、苦い経験をナメてきたから、私はね、もうこれは限界にきたなあと…と思ってねえ、まあ、いい年でありますけどね、この、ようするに中央集権、明治以来つづいている官僚制度というものをね、やっぱりここらへんでもう1回シャッフルしなかったらね、国民が報いられない…ということでね、有志の仲間と話し合ってね、とにかく新党もつくりですねえ、大阪にもその機運がありますが、そういう仲間と力を合わせてですね、とにかくこの…日本の中央官僚が仕切っているこの国家全体を支配するね、それは廃藩置県で殿様はなくなったけど、代わりに、47都(道府)県に仕切ってですね、そこに官僚出身の県知事を送り込んだだけじゃないですか。結局中央の支配っていうのが、より徹底してきたんだ。いままでの徳川時代の、ようするに、あのー、藩制度以上に。

 …ということでありましてね、まあ、とにかく、私も命あるうちに、最後のご奉公をしようと思って、この日本を支配しているのは非常に硬直したね、中央官僚の支配制度っていうものを変えなきゃだめです、この国は。またそれに便乗しているメジア…メディアもあるんだ。何を考えているか知らないけどね。

 ということで、まあ、今回ね、えー…知事を辞退することに決めました。これは、東京の都議会はね、共産党は別ですけど、党派を超えてね、非常に協力してくれましたよ、組合も。人が(を)減らしました。10万人いる職員のなかで2万5000人減らしたんですよ。給料だってね、8割ぐらい減らしたんだ、8割近く。なんでやらないんですか。やったらいいじゃないですか。その前にですねえ、会計制度をね、もう1回洗いなおしてね、外部監査入れたらいいじゃないですか。国のですねえ、会計制度が、いかにすき間だらけで、どんな無駄があるかっていうことをね、専門家の…外部監査、公認会計士入れて、とにかくやらしたらいいじゃないですか。何でやらないんですか。会計制度がしっかりしたらね、財務諸表も出てきますよ。ちゃんとしたバランスシートも出てきますよ。財務諸表って、みなさんね、誰かがこの会社の株買いたいなあ、買おうかなあと思うときに、この会社のねえ、実情を知るために必要な、絶対必要な資料なんだ、財務諸表が、ないんだから、政府には、ね。バランスシートもないんですよ。こんなねえ、つまり、その、基本的な間違いが続いている国っていうのは、私は先進国で日本だけだと思うし、他にあったら教えてもらいたい。

 ということでね、これはホントに性根を据えて、地方の役人とたたかっていかないと、この国はズルズル、ズルズルね、アリ地獄に入ったみたいに沈んで、そのうちに、まあ、窒息して死にますなあ…ということでありました。

 えー……ま、引退の決心というか、辞任の決心をいたしました。決してこれでね、政治を辞めるわけじゃありません。もうちょっとね、違った形で、大きな形でね、お国に最後のご奉公をしようと思っております

 以上であります。質問があったらどうぞ。



 (冒頭発言おわり)

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