matsuikoji

松井孝治 · @matsuikoji

17th Aug 2012 from Twitlonger

早朝来の呟きをまとめ末尾にレスを踏まえて若干の補足を行いました。

私が内閣人事局の重要性を説くのはそこが新たな幹部公務員制度導入の拠点、すなわち省庁縦割りを克服し、省庁・官民の垣根を超えた幹部人材登用や評価の拠点となるからです。RT @YukioOoshima 最初に思い切った「公務員制度改革」をやらなかったのが失敗の原因と思います。

ご指摘のように、公務員、特に幹部公務員の縦割り意識を是正し、各省や官民を超えた人事登用・評価を行う制度を作らないと、いくら内閣官房に予算骨格編成部局を作っても結局各省の出先部局になりかねません。

セクショナリズムとそれに伴う意思決定の失敗の克服は行政、企業を問わず、一定規模以上の組織にとって重要な組織的命題。日本最古の堅牢な歴史と伝統に加え、「分担管理」の精神によって裏打ちされた霞が関改革を行うには、人材、財源という重要資源の配分を超省庁的に行える司令塔が必要です。

現在の分担管理原則では各省人事も各省完結が基本(相互交流を増やす傾向ではあるが)。例えば、所属省庁の利益にはかなわないが、国全体の利益にかなう官僚がいたとしてその評価が適切に行われない仕組み。ましてや民間登用は自分の役所のポストが減るだけということで消極的になりがち。

国の行政の機能強化に資するような人材を省庁や官民の枠にとらわれず抜擢し、かつその人物の行動をフェアに評価をするような人事・評価機能が各省庁以外どこにもない不思議な政府。

人事院は給与水準決定などを中心とする政府独立機関、人事恩給局も制度官庁。まずは総理・官房長官ラインに次官・局長を中心に各省幹部の人事評価配置を行う部局を設け、民間登用者も含めて、幹部公務員が国全体の利益にいかに貢献しているかを基軸にした人事評価部局を作るべき。それが内閣人事局。

08年に超党派合意、成立の国家公務員制度改革基本法には内閣人事局設置を含めた幹部公務員人事制度の導入に加えて、自律的労使関係制度の実現(労働基本権の回復)の規定あり。基本法に基づく現行公務員関連4法案では特に後者の制度設計で野党に異論が強く2年以上継続審議中。人事局ができない理由

新たな幹部公務員(次官局長)制度では、国全体の視点での人事評価の上、実績主義で大幅な抜擢・降格も可能な仕組を導入。これは公務員制度全体の原則を変える重要法改正事項で時間がかかった。政権交代直後に、国全体の視点で幹部人事を行う姿勢を表明し内閣人事室(訓令)を発足させるべきだった。

以上を今朝(早朝及び朝食後)呟きました。

同僚議員からメールを頂き、訓令の内閣人事室なら今からでも遅くないのでは?とのご質問でした。私の答えは、たしかにそうだが、総理、正副官房長官の知恵と度胸次第です。というものです。

池田信夫‏@ikedanob さんのおっしゃるように、政権交代後の勢いのあるうちにそれをやっておくべきでした。あのときは総理決定(訓令)で、国家戦略室を作り、閣議決定で行政刷新会議を作り、その上で、もうひとつ総理大臣決定で内閣人事室を作る(そうなれば誰が室長をやるかはおのずと明らか)となると、政治主導の演説作成とか予算編成作業とか副大臣会議の運営に自信がなかったので、そこまでできませんでした。松本剛明さんが議院運営委員長でなければできたかもしれませんし、もっと睡眠時間を削り球拾いをすればよかったとも思いますが、残念です。

ある先輩から出口に近い幹部公務員(次官、局長等の現指定職クラス)だけでは、人事の選択肢が狭くもっと早い段階で人事の一元化をすべきではないかというご意見も頂きました。私は課長・企画官クラスの幹部職への抜擢もありうると思いますし、そのためにも幹部職員の人事一元化の前に管理職員の準一元化(基本的には各省人事だが課長資格を与える時には内閣人事局が面接評価する、さらに霞が関FA制的なもの導入し、大幅な省庁間異動を加速する、課長・企画官段階での民間登用を抜本的に加速する)を検討しておりました。基本法にはそれらを包含する規定もあります。

加えて、08年当時は新卒一括採用制度を採用しませんでしたが、省庁別採用の枠と別枠の、省を特定しない幹部候補生採用というのも、検討すべきではないかというのが、私の近年の思いです。

Reply · Report Post