原発ムラの御用学者先生方が無視しておられますが 2008年の原爆症認定集団訴訟大阪高裁判決では「ペトカワ効果」は重要な役割を担っています。この裁判は原爆投下後に広島入りした原告が初めて入市被曝者原爆症と認定され 国も上告をせずに判決が確定したもので 低線量被曝問題では歴史的な判決でもあります。
「ペトカワ効果」とは このメカニズムを発見したカナダのエイブラム・ペトカワ博士に因んで名付けられた低線量放射線による作用です。放射線が人間の体液内で酵素分子に衝突すると活性酸素を発生させます。活性酸素及び活性酸素が脂質と反応して作られる過酸化脂質は 近年 三大疾病(がん,心疾患,脳梗塞)をはじめ、呼吸器系疾患,不整脈,高血圧,腎不全,膵臓疾患,肝臓疾患,認知症,白内障,皮膚障害,免疫低下など ほとんどの病気の原因となることが判明し、老化の要因とも言われています。
この活性酸素は高線量の放射線では大量に発生する為に活性酸素同士がぶつかり合い かえって元の酸素分子に再結合してしまうのに比べて、低線量の放射線では再結合が少ない為に「細胞膜に非常に効率よく到達し透過する。そして非常に少量の放射線の吸収にもかかわらず免疫系全体の統合性に障害を与える」(判決文より抜粋)つまり低線量での影響が上に凸の曲線を描くのがペトカワ効果です。現在は「逆線量率効果」として知られている現象であり、低線量被曝でも影響が大きいという根拠の一つとなっています。ICRP初代委員長カール・モーガン博士も後年に低線量における逆線量率効果を裁判で証言しています。この逆線量率効果のグラフは「放射線医学総合研究所編:低線量放射線と健康影響 虎の巻 2007年医療科学社発行」の冊子でも紹介されています。
ところが現在のICRPは直線型を採用した上 線量率効果を100mSV以下については二分の一としています。さらに山下氏に至っては100mSV以下の影響はわからない事にして内部被曝無しで誤魔化しています。福島の子供達は元々健康な子供です。呼吸もすれば普通に食事もします。この様ないい加減な主張は今の甲状腺障害の異常な発症率を鑑み 今後起こり得る福島だけでなく関東 東北の人達への健康影響を考えた時 犯罪に等しいと思います。ベラルーシ 元ゴメリ医大のユーリ・パンダジェフスキー博士はチェルノブイリ事故後に患者の臨床検査と死体の病理解剖を行っています。Cs137の体内濃度と心臓病をはじめ、肝臓,消化器系,血管系,神経系,生殖系への影響を調べています。そもそも被曝により免疫系が下がるのは事実ですから,あらゆる病気が起きても何の不思議もありません。特に子供達への放射線の影響は最大のリスクを想定して最優先に回避しなければなりません。マスクを外して外で遊ぶ福島の子供達の様子を見るにつけ 現時点では避難区域を拡大すべきだと思います。放射線による呼吸器系への内部被曝は消化器系に比べるとほとんど排出されません。除染よりも避難をと何度も同じツイですが何度でも強調したいと思います。

Reply · Report Post