OPENING + 1-2 DAYS http://www.twitlonger.com/show/i5s5j1
3rd DAY 1+2 http://www.twitlonger.com/show/i6atpo


◆4th DAY - 1

 目が覚めたのは、日が昇ってからかなり経ってからの事だった。
 先客は既に起った後。食事を作った跡なのか、昨日は無かった焼け焦げが床に見える。
(……起こしてくれれば良かったのに)
 甘えだと思いつつ、そんなことを思う。何より疲れ切っていてすぐに眠ってしまったお陰で、情報交換が何も出来なかったのが痛い。何か知っていたかもしれないのに。
 自分の失態と、なんとも言えないやりきれなさに火を熾すのも億劫で、結局、ジャーキーだけをもそもそと食べて済ませた。

 さて、今日は何処をあたろう。
 バイクと積んだ荷物を点検しながら考えを巡らせる。
 人捜しの方針は変えないでもいいだろう。とりあえず人を捜して情報を出来る限り集める。それがどういう形にしろ、事態解決のヒントになる筈だ。
 市街地は見回ったが、会えたのは昨日の彼女だけである。
 一昨日、おっさんに会ったのはそこからやや離れた地域だったものの、その後どうするかについては全く聞いていない。闇雲に探すのは正直、避けた方がいいだろう。そこまでガソリンが持つかどうかがまず怪しい。ならば、極力範囲を絞っt
 ――――それよりもまず、地図の空白を埋めた方がいい。
(まあ、何かあった時に知らない場所にもう一度、ってのはよくないかな)
 最後にタイヤの空気圧を確かめ、バイクに跨る。
 目指すのは一番近い空白エリアだ。走りながら見る限り、商業系というよりは会館や役所に近い看板を出した建物が並んでいる。小規模だが駐車場も多い。
 そこで、奇妙なものにぶち当たった。巨大な壁だ。
 単純に壁と呼ぶよりは堤防のそれに近い、そそりたつコンクリート。それが道の先に鎮座――としか呼べない状況で存在している。迂回路はない。
 仕方ないので、壁伝いにある水路――正確にはその脇にある狭い舗道を進むことにする。狭いのでバイクは降りた。例によってキーは差したまま。お守り代わりに拳銃だけは持った――懐にしまい込んで、だが。

 歩いてみると、なかなかに水路は長かった。そして、深い。
 降りた場所ではほとんど枯れかけていた水は進むに連れて量を増し、今や緑色に澱んでいる。何故かつん、と生臭いのは元からではないだろう。この状況のせいか、あるいは、
 ――――考えるな。
(理由がどうあっても、状況は変わらないか)
 時計を見れば、既に歩き始めて三十分近いが、水路に変化は見られない。
 何処まであるかを調べたら、もしくは分岐路まで辿り着いたら戻ろうかと思っていたのだが――そこまで行き着くまでにはまだまだ掛かりそうだ。
 一度戻った方がいいかもしれない――そんなことを思ったときだ。

 ふと、生臭さが強まった気がした。

 反射的に立ち止まるより先に、目の前の水路が水飛沫と共に盛り上がる。巨大な質量が水を巻き込んで浮かび上がり、
 ――がつん、という音は歯の音か、それとも転んだときに落ちたヘルメットの音か。
 生理的嫌悪を覚える臭いを撒き散らし、フェンスを食い破り、コンクリート片を撒き散らしてこちらの目前に迫るそれは、
(鮫!?)
 答えの代わりに肉片とそれ以外の液体を撒き散らし、それは身をくねらせた。
 白く濁ったそれと、目が合った。
 ――――逃げろ。
(――――――――!)

 正直、どうやって逃れたのかはよく覚えていない。
 気が付けば、懐にしまっていた筈の拳銃を手に、バイクのところにへたりこんでいた。全身が濡れ鼠。肩や背中がひどく痛いが、見る限り出血も――更に言うなら「あれ」に噛まれたらしい傷はなかった。まあ、何処か一度でも噛まれたなら間違いなく死んでいるのだろうけれど。
(一体、何だったんだろう、あれ)
 元々は鮫だというのは間違いがないのだろうが、……鮫もゾンビになるのか。いや、その前に、一体この街の何処にそんなものがいたのだろう?
 この素朴な疑問は、すぐに解消された。バイクを押して引き返した道のその先で、古びた看板を見つけたのだ。
「**氏記念水族館 この先1キロ」
 ……つまるところは、あれもこの騒動の被害者ということになる。
 やりきれない気分で引き返した。


◇今日のnowmas:【戦闘】水路を移動中、不気味な背びれが接近! そういえば近くには水族館、まさか・・・そのまさか、ゾンビ化したサメだ! 11のダメージ! 食糧:-2 http://shindanmaker.com/235938

96→86(拳銃の効果でダメ-1減少、-10)/93→91(-2) 【バイク】【拳銃】



◆4th DAY - 2

 とりあえず、出来る限りの手当をする。
 と言っても専門家ではないし道具もない。すりむいた場所を手持ちの水で洗って、持ち合わせの軟膏を擦り込むくらいしか出来そうにない訳で。
 それでも、やらないよりはマシか。
 打ち身が酷く、伸ばすだけで身体が軋む。明日の朝が酷いことになりそうだ……

「――あんた、大丈夫かい?」
 ぐったりしながら服を脱いで、傷を確認していた時だった。そんな声を掛けられたのは。
 顔を上げると、太った、白衣姿の――
「なんだい、アタシの顔になんか付いてるかい?」
 ……どうやら、おばさん、でいいようだ。
 髪が短い上に中性的というか、その。色気は全くないのだが、どちらにも見える顔立ちをしているので見分けがつかなかったのだ。というか、喋っても判断に迷うってどういうことだろう。えーと、これって人類の神秘?
 ぼんやり見上げていると、軟膏をひったくられた。
「ほら、後ろお向き。――いいからお向き! あんたね、いくらなんでも、こんな酷いナリのガキ放っとける訳ないだろう!」
 ……雷が落ちたので、大人しく従うことにした。

 女性は、研究者であるという。
 在野ではない。街から少し離れた場所にあったという研究施設の職員で、そこそこ偉い――少なくとも班ひとつを任されている程度には偉い立場にあったらしい。
 研究所といえば、一昨日世話になったあのおっさんもそこに務めていたとか、そんな話を聞いた気がするのだが。
 当人の名前を出して聞いてみても、知らないようだった。曰く、務めている研究者が全員顔をつきあわせて仕事をするようなチマチマした規模ではないらしい。
 ……頭の中を掠めた予感を、口に出して聞いてみる。けれど女性は首を振った。
「言っただろ。アタシらは結局、末端なのさ」
 だから置いて行かれた。そう彼女は言う。
「正直、何が起きてるのか、それについては身に覚えがある。ありすぎる。だが全体を把握している訳じゃあない。……酷い話だとは自分でも思うがねえ」
 自嘲気味に笑って、軟膏を返された。
「だから、信用できないってんなら、アタシの事は放ってくれて構わない」
 なんというか、……潔すぎる女性(ひと)である。
 普通、こういう場合に出てきた「そういう」系の研究者は、もっとこう、慌てふためいて「違う! 私のせいじゃない!」とか叫ぶもんじゃないのだろうか?
「そりゃアンタ、性分ってやつさ。でも、そうだねえ。アタシを連れて行くってんなら、ひとつだけ特典があるよ。例のアレ――ああなる前に一人だけ、助けられる」
 曰く、彼女は「治療薬」のアンプルをひとつだけ持っているのだそうだ。ついでに言うならそれを的確に使うよう、見極める目もある、と。

 さて、どうしたものだろう。


◇今日のnowmas2:【同行者】太った研究者(アイテム扱い。1度だけ、ゾンビ化しつつある者を治療できるが、連れている間1日につき食糧1を消費)が同行を申し出た。連れて行くかは任意。食糧:-1 http://shindanmaker.com/235938

四日目暫定:86/90 【バイク】【拳銃】【同行者:太った研究者】

-------------
とりあえず暫定で出す。

Reply · Report Post