2012年7月1日。
今年の7月は日曜日から始まりました。
週末は仕事が休みだという大人が
東京から大阪から新潟から北海道から
そのほかいろんなところから
名古屋へ集まっていたようです。

今日、Skypeから
小沢さんが話してくれる表情を見ながら
ほとんど、ブラインドタッチでメモしたものです。

このメモは、本当は一緒に行きたかったけれど
行けなかった友だちのために
わたしが記録したものですが
同じように、行けなかった人がいるのかもしれないと思って
お送りします。

名古屋からの帰りの新幹線のなかで
ブラインドタッチしたままのことばを
整えてみました。
(「●」から始まる一文は
 要旨というか、小見出しとして
 私が書いたものですので
 小沢さんが発言したものではないことを
 ご了承ください。)

会場のお客さんと小沢さんとの話のところは
思わず手を休めて聞き入っていたので
すこんと抜けているところがありますが、
どうか、お許しください。

※今日の登場は
小沢さん、エリザベスさん、タケイグッドマンさん、シャシャミンさん。


[別テイク(2012/07/01)スタート]

(小沢さんが、スクリーンに現れる。)
今日は複雑なことをやっているので
二度三度切れるかもしれません。
きょうは、ゲストを三人。

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●影絵の話

『東京の街が奏でる』の影絵の人たち。
照らすということばではじまり、
照らすということばを繰り返して終わる
「神秘的」という曲がありますが
あの曲で影絵をやりました。
影絵は、光を照らして照らすという原始的な方法。

『東京の街が奏でる』をやるにあたって
LAで照明を買って、影絵に当ててみたりしました。
家にも段ボールの「鹿」があります(笑)。

影絵は、実際にやる段になると人手がかかる。
そして「『組織』として頑張らないとできないもの」。
これは、日本に行ってから気がついた。

影絵をやっているあいだ、
誰かにキューを出してもらいたくて
考えていたところ、タケイグッドマンがいた。
(ゲスト3人のうちのひとり、タケイグッドマンが登場。)

もともとタケイくんは
「キュー」を出すのが上手な人。
影絵は、キューをどんどん出す人が大事。
ものごとは、そうやってうまく収束していくんだなと思った。

タケイグッドマンというのは
「愛し愛されて生きるのさ」とか
「痛快ウキウキ通り」とか
「僕らが旅に出る理由」のビデオで
僕が、洗面台でなんかやってるのとか(笑)、
そういうのを撮った人です。

(ここで、タケイさんと小沢さんのやり取り)
ここんとこ、インスタグラムが落ちてたり
Amazonのサーバーがどうとか言ってるけれど。
いま、気候がめちゃくちゃなんですよ。アメリカ。
ニューヨークも、熱帯夜注意報が出たし。
路上で喧嘩してる人たち、2件も見たし(笑)。

(話は元に戻って)
影絵は、組織力がいる。
みんなとエリザベス、10人くらいで
影絵をやって、いじっていくうちに
影絵が生き生きとしていった。
エリザベスが影絵をやっている人たちを
『シャドウギャング』と名前をつけた。

たくさんの人が『シャドウギャング』に関わっていて。
有名無名の楽しい人たちが、たくさん関わっていた。
本当は友だちみんなに来てほしかったのだけど
そういうわけにもいかないので。

さて、もうひとりのゲスト。
『シャドウギャング』のひとりであり、
痛快ウキウキ通りのビデオの
イラストもかいてくれたシャシャミン。

(小沢さん、タケイグッドマン、シャシャミンのやり取り)
今日はたくさんツイッターやってる人が来てるんだよね?
『シャドウギャング』のTシャツの話とかもしたいな。

(ここで、小沢さんの音声が突然途切れてしまい
 何度かSkypeが切断される。)
タケイグッドマンさん曰く
「これは、みんなの想像力に委ねられるね。」

(会場爆笑)

(再びSkypeつながって小沢さん登場。)

影絵をつくるために段ボールを切った。
レーザーカッターで。
ニューヨークのユダヤ人街があって
レーザーカッターは、不思議なことに
そこにしかなくて(笑)。
さんざん影絵をデザインしたり切ったり、
動くことを試してみたり。


*********************
●エリザベスさん登場

(いま、ニューヨークは朝5時)

小沢さんといっしょにいるエリザベスさんが
二つ目のスクリーンにイラストで登場。

エリザベスさんを描いたイラスト。
これは、インスタグラムで
ファンのかたが投稿したもの。
その絵の上に「KONICHIWA!」と
手書きで書かれた、紙のメッセージを置いて参加。
(エリザベスさんは、そのイラストと音声での参加でした。)

#ozknで、インスタグラムに流れていた画像。
hihumiyo.netで、それを目にしたエリザベスが
「これって自分ですか?」って(笑)。

このイラストは
「東京の街が奏でる」最終日に
一瞬、エリザベスが
ステージに出た時のことを描いたのかな?
(描いたご本人のお客さん「そうです」とうなずく。)

タケイグッドマンさん:
「エリザベスの顔を出さない代わりに、これを出す。
今日はこれでやるんだね。『アイコン』だね!」

小沢さん:
「エリザベスが『Hey everybody!』だそうです。(笑)」




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●「別テイク」登場
「東京の街が奏でる」のコンサートの画像は
真正面から、きれいに撮れているものがある。
それとは「別テイク」で、タケイグッドマンの弟さんが
舞台の横から撮った絵があって。
それは、僕らも知らなかった。
その映像が、打ち上げですごく人気で
みんなでそれを見てた。

(ここで、その映像を観ました。)
※影絵を映すスクリーン上部から
ステージ側、ステージ裏、それぞれ左右に
見下ろせるポジションで撮影された映像。

左:(ステージ側)
一曲目、『東京の街が奏でる』をひとりで
ギターを弾きながら歌う小沢さん。

右:(スクリーン裏)
影絵を映す、メンバーたちが
小沢さんが歌う裏で
どんな動きをしているかが分かる映像。
タケイグッドマンがどんどんキューを出す。
10人くらいの人が、それぞれに
「鹿」を持ち、上下に上げ下げしながら
下手から上手に動く。

タケイグッドマンさん:
「ボーちゃん、影絵がすごく上手かった!」

小沢さん:
「この半分・半分を撮った映像は、みんなびっくりしてた。」

タケイグッドマンさん:
「最後だし。」と思って回してた。

小沢さん:
『東京の街が奏でる』を録ったものは
いつか何かのときに
形になれればいいなと思っています。
当初は、映像に残すなんて考えなかったけれど
(『東京の街が奏でる』がスタートしてから)
急遽、撮ることにした。

カメラの場所が無かったから
そのために、急遽、座席を動いてもらった方、
ありがとうございました。



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●エリザベスの写真の「別テイク」。

展覧会のほうでは
いろんな写真があったのですが
僕が撮ったのは全然ダメで。
すべてエリザベスが撮ったもの。
(イベントの)時間が押してるんで進めるね。

(砂漠のなかで、ノマドの人が
 携帯を手にして耳に当てている写真がスクリーンに。
 ちょうど、耳にしたイヤホンに手を添えた小沢さんと
 そのノマドの人のポーズが似てる!と
 タケイグッドマンさんが気づいて、会場が爆笑。)

小沢さん:
「Skypeが落ちたりする今の感じと
(註:今日は何度も切断されて落ちていました。)
このノマドの人って似ていて。
僕と同じポーズになっているのは、偶然ではなくて。
ノマドの人って、定住する家がなくても
携帯はもっているんですよ。

このノマドの人は、砂漠のなかで
携帯で友だちに電話してる。
突然携帯が鳴って「おぉー!元気?」とか言ってる。
(小沢さん、ものすごく楽しそうに説明してくれます。)

この人は、この地域でとても重要な人だというのが
すぐに分かったんですけれど。
彼は、スーダンから歩いて
ヨルダンまでやってきたそうです。

「ノマドは定住しないから貧乏だろう。」
というのは大まちがいで。
彼らは、「らくだ」をたくさん持ってる。
ノマドにとっては
国境というのがあまり意味がなくて。

国境というのが遊牧民にとっては
あまり関係なくて。

『鳥のように猫のように』って「ひふみよ」に戻っていますが
彼らは「らくだ」を持っていたりして
すごくお金持ちだったりするんです。
このらくだは、一頭で何百万とかするので
それを持っているというのは、すごいこと。
写真に写っている彼は、らくだを繁殖させて
たくさん持ってる「らくだ王」。



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●「街それぞれに、監督がいる。」
(このあたりの時間は
 エリザベスが写真の説明をして
 小沢さんが通訳してくれる。)

この「らくだ王」の人もそうだけれど
みんなキャラクターが強くて、
こういう人って、すぐ
エリザベスが撮る絵の「監督」になりたがる(笑)。

カメラが現れた瞬間、
彼には、ずっと語りたかった物語があったかのように
話しかけてくれる。

日常のなかには
本当は楽しいことがたくさんあって。
どれも、テレビには載ってこないことなんだけど。

彼らのような人が、旅の行く先々で
「これを撮って!」「あれを撮って!」と言ってる(笑)。
とにかく、カメラを持って歩いていると
かならずいるんですよ、街の監督が。
これを撮ってくれ、ってかならず言ってくる。


(2枚目の写真へ。)
これは、ドバイで待っていた監督です。
インドに行った後に
ドバイに行ったときの写真。

インド人は、たくさんドバイで働いている。
だから、インドからドバイにいくと
飛行機がぜんぜん飛ばなかったかのように感じる。
インドの人がドバイにいる。


(3枚目の写真。ドバイの埠頭の写真)
ドバイは石油で儲かっているのではないんですよ。
石油があるのはアブダビ。
ドバイは、商業の港です。
だから、すごくきれいな船がたくさんある。

たくさんの船の多くは
ペルシャ湾を渡ってイランに行っている。

……「イランを制裁する」って、よく言うよね。
本当は違うところを制裁したいけれどね!(笑)。

イランは、ドバイに近い。
この写真は、イランまで
タイヤを運んでいく船を撮ったもの。
この写真に写っている人の顔は
もろにイランの人の顔!

漁業船にのっていた「監督」です(笑)。
それで、とにかくその監督が
船の中を撮れと言うんですよ。
とにかくこの船に乗っていいから、と。

(相手と自分とのあいだに)
友情というような選択肢がない状態で
その船に乗った。船に乗ろうとして
相手が身体を支えてくれたときの
相手の指が露骨に食い込む感じが
未だに感覚に残っている(笑)。

それで、この「監督」が
エリザベスに撮って欲しかったのは
船の真ん中に黒い穴。これ、地下船室?
「ここに入れば、イランに行けるぞ!」って言われた。
それが密航なのか、誘拐なのか…(笑)。

もし、船に乗ってイランに行ってしまって
バレたときに、日本の新聞でどう書かれるのか。
エリザベスは、それが心配だった(笑)。

ほんとうにみんな「監督」をしたがるんだよ。



*********************
●小沢さんの写真の「別テイク」。
(カリフォルニアのマリブで撮った
 小沢さんの写真の「別テイク」がスクリーンに。)

これは、カリフォルニアのマリブっていうところ。
非常にきれいなんですけれど
そこで撮ったりしました。

何かを考えているような表情の写真。
これは、ダッフルコートの丈は
何で短いのかなって考えてた(笑)。
(註:分からない人は、最新号の「装苑」をぜひ!)



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●「ひふみよ」で撮った写真たちを次々に紹介。
・階段をあがっていくところ
・楽屋
・みんなお医者さんみたいな白衣の衣装
・小沢さんが、楽譜書いているところ
・小沢さんが、歌詞を書いているところ
・スタジオのリハ風景
・ひふみよのときにスタジオで練習しているところ
・PA卓
・小暮さんの頭に橋が刺さっている写真
(ここで、いったん紹介終わり。)

あ、ちょっと待って。もうひとつだけ。
これは、手裏剣の一番元になった形なんですけれど。
ステンシル。

そうそう、ステンシルかっこいいよね。(シャシャミン)

・「ドゥワッチャライク」の各章のあたまにあった鉛筆の写真
・「うさぎ!」と「ドゥワッチャライク」の
デザインの意味は、みなさん、わかったでしょうか?
(会場のお客さん、静かにしている。)

「じゃ、分かったことにして。」と小沢さん。
「分からない人は、みんな家に帰って
 じっと見てみてください。」

・「我ら、時」の箱の原型?のような写真。
これは、紙でダミーを作っているとき。
まだ全然まとまってないときのもの。

・第11夜の「東京の街が奏でる」で
「シャドウギャング」がサプライズで用意した
バースデーケーキの影絵。
「あれ、本当にびっくりしたし、本当にうれしかった。」(小沢さん)

「バースデーケーキの影絵は
エリザベスさんのイラスト描いたかたに
プレゼントしましょう。」(タケイグッドマンさん)

・Skypeで、エリザベスさんのアイコンの前に
「AREGATO」と書かれた紙が置かれる。



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●「シャドウギャング」のTシャツ。

ここで、シャシャミンの「別テイク」を紹介。
もともと、『シャドウギャング』っていうのは
タケイグッドマンが送ってくれた、
面白い画から始まったもの。

ぼくら、影絵の何たるかも分からないで
影絵をやってた(笑)。

シャシャミンは、アニメつくってるから
影絵がめちゃめちゃ上手くて。
シャシャミンが動かしてる「鹿」は
すぐ分かったもん。

「もともとは、ボーちゃんの
代役でやってくれないかと言われて。
めちゃめちゃ真剣になってやった。」(シャシャミン)

帽子に羽がついた『シャドウギャング』のTシャツ。
メンバーみんなで着てた。
着るものが、お揃いになったとたんに
僕らに結束が生まれた。

エリザベスは、未だにしょっちゅう着てるよ!
でも、僕はもらってないという…(笑)。

『東京の街が奏でる』は
とにかくたのしい12日でした。
来てくれてほんとうに楽しかったし、
ありがとうございました。



**********************
●お互いが、お互いを楽しませる。

コンサートのチケットが当たった人は
何らかのアートフォームで
(何らかのアートなかたちで)返して下さい、と思っている。

みんな、画も写真も文章もうまい。
ozkn.net に限らないんだけど
昔のコンサートだったり、録音したものが
いまに続いて育っていると思うのです。

お客さんのなかには
出版社で働いている人が多いみたいだし
広告代理店で働いている人とか、
ことばにかかわる仕事をしている人多いみたいだし。

あと、達筆な人が多いと思う。
アンケートも見たのだけど
アンケート用紙に、裏も表もきれいに書いた人、
達筆のひとが多い。

「アンケートは、レベルが高い。」(タケイグッドマンとシャシャミン)

なんか、ozkn.netにしても
お互いがお互いを楽しませるというか
だんだん楽しませ方が分かってくるというか。
ここ最近のtumblrの投稿は、すごかったね(笑)。
焚き火の火種を絶やさない感じというか。

「我ら、時」で、白蝶貝のボタンをつくった。
最初にSkypeをした時の白いシャツには着けていて。
ボタンって、何回もシャツに付けているというのがよくて。
あのボタンは、ざらざらしていて、さわり心地がいい。

「触覚」って、あまり日の当たらない感覚なんだけど
「触覚」って、すごくデカい。
シャツに付けるというのも、単純ですけれど
あのシャツを着たいって思うのは
単純にあのボタンにさわりたいと思っているから。

ボタンって長持ちするからいい。
服ってけっこう壊れちゃうけれど、ボタンは、壊れない。
母親が持っていたボタンを、いま持っている人もいると思う。



**********************
●会場にいる人たちのこと。

レベルが高くないですか?(笑)
今日大ニュースを聞かせてくれた人たち、
ヴァイオリンやってたり、
フルートやってたり、バンドやってたり。
(一度はその道を辞めたけれど、また始めようかなみたいな話を受けて)
「音楽を取り戻す」っていうのが
今日のテーマなのかな?(笑)。

みんな賢くて、文章や絵や写真も上手くて
光栄なんですけれど。
賢いみんなに「こんなこと考えたら?」
と思うことがあるとすれば
「ファンって何なのかな?」と。

考える意味があるのかなと思って、投げてみます。

でも、ほんとうに
名古屋でスカイプを何度もやったりして。
本当は、仙台でも札幌でも福岡でも
こういうのをやればよかったのですが。

『東京の街が奏でる』が終わってからは何も動けなくて。
福岡で展覧会やってる時期ぐらいから復活できた。

ここにきて、いろいろできて
ほんとうに楽しかったし。

(ふと、思い出すように)
これって、何となく友だちになって帰る感じ?

「そうじゃないかな?結構いい感じにまとまってるよ」と
客席を見渡して、タケイグッドマンさん。

「バラバラになんないほうがいい気がする。」と
微笑みながら言う小沢さん。

たぶん、ここにいる人は
社交的なんだろうけど、そうじゃない人で
『小沢健二の音楽いいよね。』という人はいると思う。
そういう人、いいと思う。

ツイッターやってるって、権力じゃない?
だけど、そういうふうに権力を持ちたくない
という人もいるわけじゃん?

シャシャミンさんは
「やってると、だんだんやりたくないときもある。」
だそうです。



**********************
●あらためて『シャドウギャング』の話と
エリザベスからのメッセージ

『シャドウギャング』って、素敵だなと思っている。
「いちょう並木」と「Back to Back」の時、
オペラシティに届いた花を
影絵で使おうって言って、使った。でも
花が枯れちゃうんで、結局、影絵に向いてなくて
オペラシティのロビーの「狐さん」に
花束を持ってもらった。


(ここで、エリザベスさんから
 シャシャミン&タケイさんに向けて)
今日、ふたりに会えて
『シャドウギャング』の話をして
「東京の街が奏でる」でやった頃のことを思い出して
すごくうれしい。気持ちが一緒になれたみたいな。

今日、こうして会場に人が集まったり、
その人が友だちがつれてくるのが
あの『シャドウギャング』みたい。

「素晴らしい体験」っていうのは
誰も、それのエキスパートじゃないのに
みんなでやってみるっていうこと。

それが、おもしろかった!
そういう方法でやっていくと
みんなで教えあっていくから
それがよかった。

「東京の街が奏でる」のバックステージで
開場して、お客さんがだんだん
客席に入ってくるのを見ていると
海の汐が満ちてくるみたいに
だんだん空気が変わってくるの。

その空間に息が吹き込まれていて
生き生きとしてくる。

日本語が話せてなくて申し訳ないんだけど
みなさんが会場に入ってくるときが
どれくらい素敵な時間なのかをお伝えしたくて。

「あのホールが、リハーサルの時と
お客さんがいる時とで、音が違うのが面白かった。」
とシャシャミンさん。

「コンサート会場っていうのも
なにかがぶつかる場所だし。
日常と日常がぶつかるというのが
本当に面白いし、興味深いことだなと思います。」
と小沢さん。

いろんなところから集まっていきなり影絵をやって。
また日常に戻っていった。

最後、シャシャミンさんから
『シャドウギャング』の話をもう一つだけ。
「僕ら素人で、特別な指示をもらってないんだけど
小沢くんに
『毎回はじめてやるつもりでやってください』とだけ言われた。
これ、ほんとうに大事なことだなと思った。
たしか、これをクラシックの用語で言われた気がする。

小沢さん:
「『東京の街が奏でる』で演奏されるものは
譜面で、全部書かれていた。
これは、ジャズのアドリブとも違うし、
ロックみたいに自由にアレンジするものとも違う。
「完全に決まっていることを、初めてやるつもりでやる。」
影絵も、そうやってみると
上手くいくというのがあった。
シャシャミン。そのことば、覚えていてくれてうれしいです。

本番で決まったものというのは
「これが最高!」っていう風に
崇められちゃうんだけれど
本当は最高のものがたくさんあって。
運命で「この写真に決まった!」とか
そういう訳ではなくて。

作った人としては
「これしかありませんでした。」などと
神話にされたりするけれど。
本当は、いくらでも「別のテイク」があるなと思う。

最後に結果が出たものが絶対ではないと思うんです。
それを崇めるのは簡単すぎて。
作ってる途中で出てくることもいっぱいあって。
何かの都合で、最終的にそれを選んだということだけで。

(ここでざっくばらんなおしゃべりをしつつ・・・)

最後に小沢さんから
「展覧会、明日、最終日なんで見にきてください。
『我ら、時』の箱を買ってない人は、買って帰ってくださーい(笑)。」

おしまい。

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