ご存知でしょうが日本は国土面積では世界の0.25%しかありませんが、マグニチュード6以上の地震のうち20.8%も発生する地震超大国です。
地震活動は50~100年位で周期的に静穏期と活動期を繰り返します。
2011年に起きた震度5弱以上の地震は68回で、気象庁が統計を取り始めた1926年以降もっとも多く、たった1年で17年分の強い地震が日本列島を襲いました。
つまり日本は地震の活動期に突入しているのです。
原子力委員会の専門委員を務めた中部大学の武田邦彦教授は「原発は震度6で壊れる仕様になっている」と公言しています。
圧力容器は頑丈でも、施設や配管はそれほど丈夫ではありません。
今回も震度6で受電鉄塔が倒れ、電源喪失したことが第一の要因ですが、1号機の圧力容器は地震直後に水位が急に低下し、圧力も落ちた(運転時の70気圧→約8気圧に低下)ので、配管が破損した可能性が高いと言われています。

原発の耐震審査にあたっては基準地震動が設定されています。
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si004.pdf
敷地周辺の地質・地質構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切なものとして策定された数値です。

中越沖地震のあとに柏崎刈羽原発の基準地震動が2300ガル(ガルは加速度の単位)となりましたが、他の原発は500ガルや600ガルが多く、今話題の大飯原発は700ガルです。
重力の加速度は980ガルですから、980ガル以上の地震が来れば建物自体が空中に浮いてしまい、配管が確実に破損します。
福島第一原発の中で最も強い揺れを記録したのは2号機で550ガルでした。
今回の東日本大震災として最も強い揺れを記録したのが宮城県栗原市で2933ガル。
2004年の新潟県中越地震のときは2516ガル。
2007年の中越沖地震では2058ガル。
2008年の岩手・宮城内陸地震では岩手県一関市で4022ガルを記録しています。
このような巨大地震が直撃した場合に耐えられる原発は、日本に一つも存在しないと言っても過言ではありません。

ちなみに、平成元年に改訂された原子力委員会の「原子炉立地審査指針」には、「大きな事故の要因となるような事象、例えば立地場所で極めて大きな地震、津波、洪水や台風などの自然現象が過去になかったことはもちろん、将来にもあるとは考えられないこと」と書かれています。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=11-03-01-03
現在、各原発はストレステストを行なっていますが、それは政府が「大地震や大津波が襲う可能性がある」ことを認めている証拠です。しかし、大地震や大津波が襲う可能性がある場所に原子炉を設置することは「原子炉立地審査指針」に違反していることになります。
この指針を適応するならば、日本に原子炉を設置できる場所は何処にもありません。


プロジェクト99%代表 安部芳裕
http://project99.jp/

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