昨日ツイートした、ある鉄道ファンのオフが、実態を行政に隠して許可申請した違法性の可能性を含む物であるという件について、もうちょっと指摘してみましょう。

今回の問題は、河川法という法律に基づきます。
河川法は河川の利用に関して様々な規定があります。
その中で第26条に工作物に関する規定があります。
簡単に言うと、河川に工作物を作る場合は河川管理者の許可を得なくてはならないと法が定めています。
鉄道がらみの話で言うと、川を渡る橋も鉄道会社はちゃんと河川管理者から工作物設置許可を得ています。
こちらのページに詳しいレポートが出ているようです。
http://tomo-jrc.cocolog-nifty.com/tetsu/2008/04/post_24f4.html
鉄橋は感覚的にもわかるとしても、では一体どこからが工作物になるのかです。
これについて一つの目安として国土交通省関東地方整備局利根川下流事務所のページでは「釣りの仕掛を設置する行為は河川法で制限する「河川での工作物の設置」にあたる場合があります」との判断を示しています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/tonege/kanri/kasensenyo.html
わかりやすくいうと、うなぎ取ろうと籠仕掛けただけでNGだということです。
そのうえで、数メートル規模の看板や、発電機、照明、脚立などの持ち込みは完全にNGと言えるでしょう。
ただ、河川法は「河川に工作物を作るな、絶対ダメだ」と言っているのではなく、あくまで許可が必要と言っているだけですから、ちゃんと許可申請をすれば良い訳です。
それなのに幹事は、実態を行政側に伝えず許可を取得していたわけです。
申請をされていない以上、行政は検討をしておらず、検討していないものについて許可は出しません。

さらに利根川下流事務所のページにはこんなことまで書かれています。
「「自分は安全に配慮して利用している」「自分は迷惑をかけていない」と本人が思っていても、それが自己中心的な思いこみの場合もあります。河川を利用するにあたっては、利用形態が迷惑行為、危険行為とならないよう、十分な配慮をお願いします。」
「多人数で河川の利用を行おうとするときは事前に担当出張所にご相談ください。」
しかし、幹事は行政側に対してどういったことをするのか申請せず、あたかも列車をみんなで見るだけという申請しかしていなかったというわけです。
完全にアウトです。
(記載は、「担当出張所」とありますが、当該の場所は自治体に貸し出しているのでその自治体に相談をすると言う事になります)

また、発電機の燃料であるガソリンもしくは軽油も、消防法に定める危険物(危険物第4類第1石油類もしくは同第2石油類 )に該当し、場合によっては消防署への届出や危険物取扱者の国家資格を有した者を配置しなくてはなりません。
当然そこで火災が発生しようものなら、「ゴメンナサイ」では済まない話です。
鉄道ファンが沿線で火災起こして列車を止めたなんて最悪の話です。
その辺の事をきちんと検討、対処したのかも疑問です。
(その辺の情報は不足しているため「持ち込んだ」という事実関係の指摘しかしていません)

もちろん今後も同様のオフ会は他の主催者によっても開催されるでしょう。
そういった方のためにも、こういった法律の存在や、適切な申請をしないと違法行為になるという問題、こういったイベントを開催するのなら関係省庁や監督官庁とも十分な協議が必要であるという事を広く知らしめる事は、紛れも無い「公共の利害」です。
割と最近にも新幹線の撮影をしていた鉄道ファンが逮捕されたという報道がありました。
そのとき私が出したコメントはこちらです。
http://www.twitlonger.com/show/fu7idm
詳しくはそちらをご覧いただくとして、逮捕にまで至ったというのは、第一発見者のJR東海の社員から「危険だからやめてください」と注意されたのに、さしずめ「俺が何悪い事したんだ」と逆上しそこにトンデモ理論を展開し退去しなかったため、警察が出動、警察の警告にもおよそ理解できないし認められない「俺は悪くない」論を展開し「悪質」と判断されて逮捕されたのではと考えます。
今回の河川法問題もこれだけの違法行為、危険行為と思料する言動について「勘違いした正義感」と言い放っている方がいますが、まさに危険行為に対する警告を無視して逮捕されるような悪質な鉄道ファンと変わらない思想です。

以前、「批判をする人ってえてして後先考えていない」というツイートをしました。
例えば震災報道が「くだらない」「過剰だ」という方、「では報道なくて、これだけ盛り上がりましたか?募金集まりましたか?」という事はえてして考えていません。
その象徴的な出来事が「自粛」で、結果的に経済停滞を生み出し出すという悪い効果を作り出した通り。
今回の指摘にも「勘違いした正義感って怖い」などと罵っている方がいるが、そう言う判断至る前に、これだけの違法行為や危険行為があったという認識はあったのでしょうか?
こういった問題を認識した上で「勘違いした正義感って怖い」と思うのなら結構だと思いますが、そもそも違法行為の可能性があるという認識も持てていない、指摘を受けても「勘違いした正義感って怖い」などと言い出すのは、輸送妨害の指摘を受けて逆上しているのと本質は変わらないのではないでしょうか?
「敬意を持てません」との事ですが、犯罪行為の認識を持てない人に敬意を持ってもらおうとは思わっていません。

ただ、最後に一つ感じたのは、参加した参加者の方は幹事の「行政から許可取った」という言葉を信じ集まってきた純粋な気持ちの鉄道ファンの方なんだと思います。
そこでみんなでその列車を見ようとしたのでしょう。
そしてそいった連帯感で、カンパもしてそのイベントを盛り上げようとしたんだと思います。
そういった意味では参加者の方には罪はないと感じます、いやむしろ被害者です
しかし、その期待に反して幹事は行政側に実態を隠して申請し、「行政から許可取ったぞ!」と資金集めまでしていたんですから、それは悪質です。
(今度は詐欺罪や出資法の話が出てくるんですが、そこまで首突っ込む時間もないので割愛しますが。)

もちろん、人間誰にでも失敗や勘違いはありますし、大手企業でもまさかのコンプライアンス違反もたまにある話。
それに対してどういった対処をするのかではないでしょうか?
あくまで違法行為ではないというのなら釈明すべきですし、出来ないのなら謝罪すべきです。
しかし、その幹事の方は連日下品な罵詈雑言ツイートの連続で責任感のかけらも感じません。
そしてその謝罪は私にというより、実態を隠して申請し「許可を取ったぞ」と言い放ち、それに賛同してくれたそのオフの参加者の皆さんへだということです。

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