古川知事は「真相究明委員会」からのヒアリング、調査への協力を拒絶したが、佐賀県議の方々からは、佐賀県の内部調査報告書の検証等の調査を依頼してきている。しかし、九電の第三者委員会の調査との関係もあり、委員長の立場にあった私としては、同社の了解が得られない限り、関連する事項について弁護士として調査を受託することはできない。古川知事がヒアリングに応じ調査に協力するのであれば九電側も了解するだろうが、拒絶したのであれば、了解するとは思えない。ということで、佐賀県議の方々には、今日の会談で、調査受託をお断りせざるを得ない。
 今日の会談では、調査受託をお断りする代わりに、公表されている内部調査報告書に関して、コンプライアンス、調査の専門家の立場からの一般的な問題の指摘をして、今後の調査の参考にしてもらおうと思う。もちろん、九電第三者委員会終了後に、何回も福岡に行って九電経営陣批判の会見を行った時と同様、今日、福岡に行くのも「手弁当」。今回の件については、報酬も費用も受け取る気はない。
 昨日、新幹線の中で、改めて佐賀県の内部調査報告書に目を通したが、それにしてもヒドイ。「突っ込みどころ満載」。こんな報告書で、プルサーマル公開討論会での九電関係者大量動員、「仕込み質問」の問題が「決着済み」と強弁する古川知事の神経が私には理解できない。 もし、我々が調査チームを編成して、この内部調査報告書の問題点を追及しようとしたとすれば、ひとたまりもないであろう。掘立小屋に籠城して武田の騎馬軍団を迎え撃つようなもの。まさに「鎧袖一触」。
 この程度内部調査報告書の内容であれば、私が直接関わらなくても、佐賀県議の方々の調査・検証、県議会での追及だけでも「粉砕」されることになるのではなかろうか。
 それにしても、古川知事の対応は残念だ。「真相究明委員会」の佐賀県議の方々からも、「決して古川知事を辞任に追い込むことが目的ではない。早くこの問題に決着をつけて、他の県政の重要課題に取り組んでもらいたい」という思いを聞いた。そうであれば、私が知事ヒアリングという形で関わることで、問題の決着を図り、原発問題についての佐賀県の判断の新たな枠組みを提案することが、古川知事にとってもベストだと思ったのだが。
 古川知事は、行政手腕、首長としてのリーダーシップなど、大変有為な人材。古川知事の信頼が失墜した現状は佐賀県民にとっても不幸だ。「籠城」をやめて、私との話に応じてくれるのであれば、今からでも遅くはないと思うのだが。

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