一昨日の「やらせメール」問題九州電力問題最終報告、真部社長の「郷原委員長にはもうこだわってほしくない。もう委員長ではないのだから」という言葉には、あまりに本音が露わになっていて、怒りを通り越して、思わず失笑してしまった。
 それにしても、枝野経産大臣の対応は、素晴らしかった。
 「公益企業のガバナンスとしありうるのか。理解不能」という簡明なコメントも実に適切だったが、それ以上に注目すべきは、従来の経産省では考えられない電力会社の報告へのる対応方針。
 従来であれば、電力会社側の報告に何か問題があれば、事前に「指導」をして、了解できるレベルに調整しているはずで、九電側は、「指導」がなかったので、そのまま受け入れてもらえるものと思っていたはずだ。前日の夜、私が電話で話した九電の担当部長は、私が報告書を送れと言っても「上の指示」だと言って拒絶したが、その際、酔っぱらって上機嫌だった。さすがに第三者委員会にも文句を言われない報告書ができたので、公表されたら見てほしい、という感じだった。エネ庁長官に最終報告書を手渡した直後にぶら下がり取材に応じた真部社長は、「余裕の笑顔」すら浮かべていた。その後、経産大臣から、あのような厳しい批判が行われるとは、全く予想もしていなかったようだ。
 政務三役の対応を、事前の事務方の対応と切り離し、九電側に自己責任で報告内容を決めさせた後に、それを受けて政務三役側が適切な判断を示すというやり方が、従来にはなかった、透明で、わかりやすい手法だった。まさに、新たな、政治主導の監督行政の形が示されたと評価すべきだろう。
 4年あまり前、不二家問題に関するTBSの捏造報道疑惑を衆議院の決算行政監視委員会で、枝野議員が取り上げ、私が参考人として意見陳述した際、ネットの世界で「枝野GJ」という賞賛の声が大きく盛り上がった。あの時から、枝野氏の法律家でもある政治家としての能力はずって評価してきたが、今後の、九州電力問題への対応、そして、電力問題への対応への対応には、引き続き期待したい。
 明日は、佐賀県議会の特別委員会に参考人として出席する。そのために、今日は既に福岡に入っている。
 「原発立地県と原発事業者との不透明な関係が問題の本質」と指摘する第三者委員会報告書を委員長として取りまとめた者として、社会的責任を果たすべく、しっかり答弁してきたい。

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