【かけ算】記録に残しておくために http://bit.ly/oD4EBR から孫引きしておきます。

金田茂裕: 小学2年生の乗法場面に関する理解, 東洋大学文学部紀要, No.62, pp.39-47 (2008) より

●p.40より

対象 大阪府の公立小学校の2年生3クラス108名(男59名、女49名)、平均年齢は8.0歳であった。調査は2007年3月に実施した。(略)また、国立大学生21名を対象とした調査を2007年1月に実施した。

●p.41より

文章題a 1はこに 4こずつ ケーキを 入れていきます 6はこでは なんこに なりますか

文章題b おかしの はこが 3つあります 1つの はこには、おかしが 5こずつ はいっています みんなで なんこに なりますか

●p.46より

第2は、被乗数と乗数に対する理解の程度に関することである。小学2年生では、文章題bにおいて被乗数と乗数が逆になった解答が多くみられた。この結果から、被乗数と乗数の区別に関する理解は、交換法則を学習していない小学2年の時点で不十分である可能性が示唆される。一方、大学生についても、文章題bにおいて被乗数と乗数が逆になった解答が多くみられ、その比率は、小学2年生よりも高かった。これより、大学生は被乗数と乗数のちがいをほとんど意識していないか、または、乗法の計算式が「被乗数×乗数」で表されることを理解していないと推測される。

●感想

大学生になってもかけ算を「被乗数×乗数」の順に書かなければいけないと考えるのは非常識だと思う。こういう算数教育学者が算数教育の現場にも何らかの経路で影響を与えているのだとすると、40年間「かけ算の式の順序にこだわる有害な教え方」の問題が解決しないのも当然だと思った。

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