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6th Feb 2011 from Twitlonger

#egyjp WaPo翻訳: What Mubarak Must Do Before He Resigns By Hossam Bahgat and Soha Abdelaty

ムバラクが辞任する前にすべきこと


エジプト国民として、人権擁護者として、私たちは1月25日から、エジプト国民の尊厳と自由を求めてタフリール広場を含む街角に立ち続けている。これまでずっと弾圧、抑圧のために不当にその機会を失ってきたムバラク時代の速やかな終焉以外に、私たちの求めてることはない。抑止やresponsivenessを促してきた国際社会が、私たちのホシ・ムバラクの退陣要求及び速やかな民主化への移行への呼びかけに共鳴したことで、私たちは勇気づけられた。

しかし、新の民主主義への移行の始まりには、大統領のみが発布できるエジプト憲法の布告(decrees)に大統領自身が署名するまでは、ムバラクは辞任するべきではない。これは単なる法律上、形式上の問題ではなく、この政治的危機を乗り切るための唯一の解決策であると、とネイサン・ブラウン(Nathan Brown)もForeignPolicy.comで述べている。

エジプト憲法では、大統領が辞任もしくは大統領職が永久に「不在」となる場合は、その職は議会の議長が、議長が不在の場合は最高裁(Supreme Constitutional Court)の裁判長が引き継ぐことを条件としている。エジプト大統領が一時的にその権限を行使することができない場合、副大統領が暫定的な国家の長を引き継ぐこととする。そのどちらの場合にも、新しい大統領は60日以内に選出されねばならない。特筆すべきは、憲法は暫定的な大統領職が、憲法を変更すること、議会を解散すること、内閣(Cabinet)を解任することを禁止している。

仮にいま、ムバラクがその大統領の役目をこれ以上果たすことができないならば、暫定的大統領は、ふたりの候補者のうちのひとりになるだろう。ムバラクが「健康上の理由」と言って(いずれ)国を去るのであれば、暫定職はオマル・スレイマン、つまりここにきて副大統領に任命されたかつての諜報トップが引き継ぐであろう。エジプト国民、特にムバラクの30年に渡る独裁の終焉を求める私たちのような国民にとっては、2月3日に国営テレビで放映されたような極めて冗長な会見の後では特に、スレイマンは第二のムバラクに過ぎない。会見のなかでスレイマンは、タフリール広場のデモ参加者は外国のやり方を真似した(implementing foreign agendas)と非難したのみならず、これらの抗議者は必ずや報復を受けるとあからさまな脅しをかけた。

一方で、ムバラクが即時の退陣を余儀なくされるなら、暫定的大統領候補はもっとまずい人物となるだろう。ファティ・スルール(Fathi Surur)、1990年からPeople's Assemblyの議長を務めた人物だ。スルールはムバラク政権下で、その法的な専門知識を生かし、長くムバラク体制におけるエジプト国民に不利となる法律を維持し強化してきた人物である。暫定職に就いている間、スレイマンにしろスルールにしろ、憲法を変更することはできないため、次期大統領選挙は、ムバラクが2007年に導入した極めて制限が多いと悪名高い法のもとに行われることになる。これは、信頼に足る候補者は誰も暫定的大統領に対抗することができないことを意味する。

つまりムバラクは辞職する前に、現在の任期が終わる9月まで、その全ての権限を副大統領に委任するという大統領布告に署名しなければならないのである。ムバラクは2004年と2009年に病気療養のため入院した際、これに似た、首相にその権限を移行するとする布告は発布している。加えて、ムバラクは1981年からエジプト国民の自由を奪ってきた「非常事態宣言」を解除する布告を発布し、判決(charge)のないまま勾留されている、推定数千人に渡る人々の解放または裁判を命令しなければならない。

またムバラクが辞任する前には、独立した信頼するに足る司法集団、憲法や立憲の専門家、市民団体の代表者、およびあらゆる政治的団体が、次期大統領選が全ての信頼に値する候補者に開かれるよう、憲法の修正案の草案をしなければならない。修正案は、史上初めて国外在住のエジプト人にも投票権を与える、選出された大統領の任期は2期まで、選挙はしかるべき司法や民間の監視監督の下に行われる、という項目を含む。これらはほとんどが、2007年にムバラクが加えた憲法の改悪を取り消すものとなる。

これらの修正案はただちに議会に導入され、国民投票で問われなければならない。スレイマンのいうところの「時間が足りない」という主張は、4年前にムバラクとその政派が34か条に及ぶ憲法の項目をたったの2か月で修正したことを思えば、根拠がなく不誠実である。

次の段階として、次期大統領が選出されるまで、人々の側に立ちさまざまな立場を管理でき、かつ、暫定的大統領を監視できる政府が任命されなければならない。この多面的な内閣(cabinet)は、国内のあらゆる良識ある政治団体の代表を含まなければならない。このような段階を経てひとたび大統領が選出されれば、私たちは、エジプトを専制主義から民主主義の国へと変革させ、人々の完全なる平等と人権を尊重する新しい憲法の草案に取りかかることができる。制限のない公正な議会の選出もそれに続く。

変革を成功に導くための要として次の3つの要素が上げられる。第一に、警察・治安部隊による暴行を防ぐ市民の監視、暴行者をしかるべき拘束下におき(hold abusers accountable)、民主化運動に参加している人々の安全を確保すること。第二に、国営テレビ・国営ラジオがその放送内容及びあらゆる立場からの政治的見解に中立性を保てるよう、独立した評議会を設立すること。第三に、不当に成り立つ政権ではなく人々のために、民主化の中立的な立会人としてのふるまいを軍に強固に確約させること。これは必須である。

エジプト国民は過去30年に渡り、高い代償、いや革命以降はむしろそれ以上の犠牲を払ってきた。私たちがよりよい未来を築いていけるよう、正しいやり方でムバラクの専制を終わりにしたい。


2011年2月5日土曜付
ワシントン・ポスト紙
Hossam Bahgat、Soha Abdelaty(エジプトの人権団体の代表らがWP紙に寄稿したと思われる)

CC BY-NC 3.0
http://creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/


訳者注:

プロの翻訳家及びエジプト情勢の専門家ではないので、訳内の主に政治用語の誤訳等、ご容赦ください。訂正してくださる方は、Twitterでハッシュタグ #egyjp をつけてお願いします。

元記事は下記URLよりどうぞ↓
http://eipr.org/en/pressrelease/2011/02/05/1091

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