ponkotufukurai

福来 · @ponkotufukurai

28th Jan 2011 from Twitlonger

        【青少年の声】

高2女子さんから青少年健全育成条例に関するブログの記事にコメントを頂きました。

本人の許可を得てここに全文掲載させて頂きます。


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意見

はじめまして。
記事を拝読させていただきました。
すごく長文になります。申し訳ありません。

管理人さんの、一方だけの凝り固まった意見だけを取り上げるのではなく、両方の考えていることを深く述べていらっしゃるのが、感服いたしました。
まだ人生をたいして生きていない私が、偉そうに言えることではないのですが・・・

私は高校2年生の女子です。
かつオタクで腐女子です。

私の両親が個人の趣味に寛容なのと、親自身がオタク気質のおかげもあってか、今日まで私はすくすくと健やかに、自分のやりたい、進みたい、見たい、欲しい、等とたくさんの欲求を満たして成長しました。
それは両親と、かつ不自由のない恵まれた環境に育てられたおかげであって、私はこの現状にとても感謝しています。

ここからは身の上話になりますが、私は小さい頃空手を習いたいと思っていました。それこそ小学2年生と、とても小さい年代でした。私はあまりにもやりたいがために友達に「空手を習っている」と嘘をついてしまいました。それはその子の親→母と伝わりました。母は私を叱りました。私は一生懸命場を繕いました。それはまったく筋の通らない支離滅裂なもので、結局私は泣きながら、自分の嘘を認めることとなりました。

そしてしばらくして、私は母に連れられてある公民館の一室に行きました。そこには私が嘘をついた友達とその両親もいました。疑問に思いつつも室内に入ると、そこは武道場でした。母は小さな私が興味を持ったことを、やらせようとしてくれたのです。私と友達はすぐに入門することを決めました。習い事なので当然お金がかかります。私が入門したその道場は、実力は充分にありますが何かと理由をつけて経費を私たちから集めようとしていました。成長した今だから言えることなのですが、当時家は家計が苦しく、両親は身を切るような思いで私に空手をやらせてくれたのです。その後私は諸事情により15歳で空手を辞める8年間で、自分でも思い出しきれないほどいい思いをさせてもらいました。師範は私が受賞するたびに、口をすっぱく「親への感謝」を説きました。それは17になった今も、それよりか一生私の心の底に根付いていくと強く思っています。

今回の記事に関することで、親が子供に与えすぎるのはよくない、と何度も目にし、その通りだと思ってはいますが、実際はそこまでではないと思います。

現状のこういった恵まれた環境の恩恵を当り前のように受け、さも自分が一人で育ったように感じている青少年は私の学友の中にもたくさんいます。

「いざとなったら親に金とか借りるし。」
「修学旅行の費用っていくらだっけ?昨日引き落とされたんだ。ふーん。」
「マジで小遣い足りなーい」
「お母さん朝寝坊したから今日買い弁なんだよねー。ホント最悪」

こんなこと毎日耳に入ります。
小さい頃から親への感謝を説かれ、心に根付いた私にとって、こんなことを聞く度に怒鳴りたい衝動に駆られます。誰のおかげでこんなでっかく育ったんだと。ですが、私と同じような気持ちを持った子も当然友達にいます。過ぎたる物を持った人達は、その事実を享受するだけではなく感謝すべきだと思うのです。

話が逸れましたが、親が子に与えれば与えるほど傲慢な人格が育ってしまうのも事実です。ですがその反対の人格が育つことも事実です。子の性格は結局は親ではなく子が形成していくものなのです。親たちが細心の注意を払って子育てしても、最終的には個人の問題なのです。(決して親が必要ないと言っているわけではありません)なので、もし犯罪が起きたとしても、私はその両親を理不尽に責めることもしませんし、したくありません。ましてや自分の子育てが間違っていたなどと自分を責めてしまうようなことはあってはいけないと思います。そこまででっかく育てたのはあなたなのだから責任は罪を犯したその本人にあると叫びたいです。


私たち青少年は、必ずしも全員ではありませんが取捨選択することができます。それは漫画だってアニメだって、はたまた人間性だって選びとって生きています。類は友を呼ぶ。これはきっと無意識に人を選びとって生きているのです。
時には間違って選択してしまうことも多くありました。私はその度に自分の行動を反省し、次に生かしているつもりです。

オタクをやっていると、びっくりするような作品にぶちあたることもありました(故意でも過失でも)。
そうして私は、何度も「これは今見るべきではない」と己を律しました。
それは欲望を抑える為でも何でもなく、ただ今の自分には必要ないと選択しただけです。

「そんな我慢するようなことはしたくない。」
と思う人は我慢しないでいいと思います。その行動が他人に迷惑をかけるものではなく、個人の趣味の範疇におさまるものであればいくらでも好きにしていいと思います。いつかその本人も驚くような作品に巡り合うはずです。そのために、日本に表現の自由を侵してほしくありません。過激なものも必要だと思うのです。子どもだってその気になればいくらでも親の目はかいくぐれます。ですがそんな時、保護者の目の届かないところでストッパーになってくれる存在が必要だと思うのです。
そしてそのストッパーに一番近しいものが、日本の文化となっている漫画、アニメだと私は思います。

良いことも悪いことも、感動することも憎むべきことも、そして自分の生きていく指針、やりたいこと、目指したいもの、頑張りたいこと、憧れるもの、信条、文化、歴史、不思議、そしてたくさんの悲しみや喜びを私は国語の教科書ではなく漫画から学びました。
大人の皆さんが思うほど、今の教科書から学べることは多くはありません。国が厳選した、清く正しいことだけ学んでも、その裏に隠された泥沼は私たちは知ることがありません。
そうして隠ぺいされて、閉じ込めて、蓋をして、国が教えたいことだけを教えるなんて、それこそメリットだけを伝える悪徳商法のようです。

言いたいことがぐちゃぐちゃになってしまったのですが、結局のところ私が言いたいのは、親の保護はとてもありがたい。感謝している。だけども親の代わりとなって、私達にいろいろなことを教えてくれる漫画を規制して縛っていくことは、せっかくの大人の保護を、不必要な過保護に変えてしまうきっかけとなり得てしまうのでは?ということです。
子ども達はいつかは自立して成人していくので、その来るべき時に、無知な大人にならないようにしてほしいのです。

長文、お目汚し失礼いたしました。
私から言いたいことはこのくらいです。


高2女子 2011.01.22 19:57

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コメントURL
http://ponkotsukazoku.blog45.fc2.com/blog-entry-311.html#comment1022

元記事/(母親の皆さんに 児童ポルノ法&東京都青少年健全育成条例改正問題について http://ponkotsukazoku.blog45.fc2.com/blog-entry-311.html#comment1022 )


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