http://bit.ly/igmV2k

日刊ゲンダイにも掲載されたリークスの原文はガーディアンに転載されている。北朝鮮問題をめぐる金星煥(キム・ソンファン)大統領外交安保首席秘書官とキャンベルのやりとりを駐韓大使のキャス・スチーブンス女史が報告している内容である。

このケーブルは断片を切り取ったものだ。関係者が情報を共有するために書かれたものだから、前後の関係の説明が書かれていない。いろいろな解釈がありうる。

だから、これだけでは厳密に疑いの余地なく米国が反鳩山・小沢にかじを切ったと証拠付けるのは弱い。状況証拠にはなりうる。重要なのはキャンベルとキムが意見を同じくしたとするところで、directlyに岡田と菅に接触という言葉が使われている点か。

「directly」という風にわざわざ表現する場合、二種類の考え方がある。

(1)下級オフィシャルではなく上級オフィシャルに接触するという考え方。この場合外務省や財務省の官僚ではなくトップに直接という意味。北関連では外務省と経済制裁という点で財務省も絡む。

(2)もうひとつは孫崎氏の指摘する意味(=「総理である鳩山や実力者である小沢を無視して岡田外相や次期首相である菅直人財務大臣に直接アプローチ」)だ。

孫崎氏はツイートで、「キャンベル氏は金氏と会う前日小沢幹事長と会談している。」と指摘している。このケーブルが論じているのは2月3日のキャンベルとキムとの会合。キャンベルと小沢はたしかにこの数日前国会内で会談はしている。日刊ゲンダイの記事でキャンベル・ルースが一面に出た、あの時だ。

こうみるとたしかにアメリカが二番目の意味でdirectlyを使っているようにも読めなくもない。しかし、このケーブルだけを証拠に何かを断言することは、前後の文脈が見えないので難しい。

もちろん、私は状況証拠からアメリカ(の極東専門家たち)が小沢潰しに加担したことは事実だとは思うが・・・。

このようにウィキリークスは言葉の一つ一つの文脈を理解していかないと解読するのは難しい。

それに日本関係のケーブルがほかにどのくらいすでに掲載されているかどうやって検索すればいいんでしょうかねえ。

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リーク内容の翻訳がありました。

(引用開始)

日米関係
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6. (C)金氏は、民主党が自民党と「全くちがう」というキャンベル氏の評価に同意し、また、民主党[訳注:DPJをDJPと誤記?]は北朝鮮に予備交渉をする際にはソウルとワシントンと調整することが重要だ、という点にも合意した。金氏いわく、北朝鮮は明らかに「民主党のドアをノックする」ためにいろいろなルートを使っている。岡田外相や菅財務相のような、民主党の重要人物に直接接触することが大事である、ということを金氏は認めた。

http://tassaleaks.blogspot.com/2010/12/10seoul290-cablegate.html
(引用終わり)

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