もし5年3組が同窓会を開いたら。
ササッと書いてみた稚拙なサイドストーリーです。

ザッ  ザッ   
  ザッ  ザッ
彼女「やっぱりこっちの方は凄い積もるねぇ。」
高校卒業と同時に地元を離れ、都会の音大へ進学してから初めて踏む故郷の雪だ。


・・・年末某日・・・
僕は彼女と同窓会に出席する為故郷の小学校へ訪れていた。


久しぶりの帰郷だけど地元に残った友人を驚かせようと、誰にも連絡をせず待ち合わせより早めに来たのだ。
冬休みとあって小学校の敷地内は静まり返っていたんで心配していると

彼女「まさか誰も居ないってことはないよね・・・」
僕「ほら!用務員室の電気ついてるよ!」

玄関脇の用務員室の窓を叩くと用務員さんが気づいてくれて
玄関を開けてもらい、職員室へと向かった。


二人「「先生!」」

先生「おぉ!?久しぶりだなー!今年も戻れそうに無いって連絡あったのに、どうしたんだよ。」
僕「先生お変わりありませんねぇ。みんなを驚かせようと思ってこっそり来ちゃいました!もちろん先生もなんですけどね。」
先生「みんなより先に驚かされちゃったなぁハッハッハ」
彼女「私たちね、来年の春に結婚するんです。はい。これ招待状。」
先生「本当か!お前らあの頃から仲よかったもんなー。みんなにもよく冷やかされてたな。」

招待状の裏表をペラペラ見つつなんだか照れくさそうに、でも嬉しそうに先生は言った。

僕「みんなを驚かせるのに先に音楽室で待っておきたいんですが、鍵貸してもらっていいですか?」
先生「あぁ、ちょっと待ってな。」
</font>
<font size="1" color="FFFFFF">ガチャガチャ・・・</font>

<font size="2" color="FFFFFF">先生「どうせお前ら弾きたくなるだろうからピアノの鍵も、ほい!」
彼女「ありがとうございます。」
僕「弾いてても僕らの事は内緒にして置いて下さいね。」
先生「そんなこと言ったってピアノの音が聴こえたらみんな気づくだろ。」
僕「そ、そうですね・・・それじゃあまた後で!」
先生「あぁ。あ、ちょっと待て!」
二人「「えっ?」」

先生「結婚おめでとう」
やっぱり照れくさそうだけどにっこり笑って言ってくれた。

僕らは頭を深々と下げて、音楽室へ向かった。

彼女「あれ?ピアノの鍵2つあるよ?」
僕「ん?スペアなんじゃないの?」
彼女「スペアを一緒にしてたら意味ないじゃん、あれ?でもなんか微妙に形が違う・・・」

そんなことを話しつつ音楽室のドアを開けたら、なんとグランドピアノが2台!
そう、今日の同窓会のメンバーである僕ら5年3組があの年の器楽コンクールで優勝してから、助成金が多めにおりるようになったのだ。

僕「ねぇねぇ、あの曲やってみる?」
彼女「いいね!やろうやろう!」


僕「じゃあ、いくよっ!!」

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