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5th May 2010 from Twitlonger

【2010.5.5「ワイドスクランブル」総理沖縄訪問・川村議員出演・書き起こし】

司会:寺崎貴司(寺崎)
   大下容子(大下)
ゲストコメンテイター:山本晋也(監督)
テレビ朝日コメンテイター:川村晃司(コメ)
ゲスト:民主党・川内博史衆議院議員(川内)
    自民党・丸山和也参議院議員(丸山)

■「学べば学ぶほど…」鳩山総理”抑止力”理解は? ”県外”断念の波紋■
寺崎:こんにちは。最後にお聞きいただいた鳩山総理の昨日のコメントなんですけれども、「海兵隊を抑止力だとは思っていなかった。学べば学ぶほど抑止力が必要だという思いに至った」という発言、いろんなところで波紋が広がっております。今日はこの混迷する普天間問題、徹底的にお話を伺って参ります。

大下:ゲストは民主党・川内博史衆議院議員、自民党・丸山和也参議院議員です。よろしくお願いいたします。

寺崎:その抑止力の話なんですが、細かく言うとこうです。(昨日の鳩山総理)「(最低でも県外と言った)当時、海兵隊の存在が抑止力として沖縄に無ければならない理由はないと思っていた。学べば学ぶほど、海兵隊の役割を考えた時、すべて連携して抑止力が維持できるという思いに至った」。川内さん、この発言についてはどうお思いになりました?

川内:「学べば学ぶほど」にポイントがあります。誰から学んだのか?ということです。「外務省、防衛省の官僚の皆さんに、もの凄く言われ続けた」ということを仰っているのだろうな、と思います。
 総理の当初考えていた「海兵隊は抑止力として沖縄には必要ないのではないか」というのは非常に正しい考え方でね、そもそも、アメリカと日本の間で「グアム協定」という、グアム移転に関する協定が結ばれているんですけども、この中には「グアムが合衆国海兵隊部隊の前方での駐留のために必要であって、…この地域(アジア太平洋地域)における抑止力を強化するものであると両政府が認識している…」とグアム協定の中に書いてあるんです。
 要するに、グアムに移駐することが抑止力を強化するんだと。両国政府が認識していると。もう既に両国政府の間で合意しているわけですから。「沖縄に海兵隊のあることが抑止力だ」というのは、外務省、防衛省の官僚がただ信じ込んでいるだけの話で、それを昨日(総理は)仰られたのではないかなと。

寺崎:信じ込まされている、と?

川内:信じ込まされているように鳩山総理はコメントしたんですけども、昨日沖縄に何をしに行ったのかということが大事なんですよね。

丸山:要するにね、はっきり言って勉強不足なんだよ。昔から鳩山さん、「駐留なき安保」ってことを仰ってますがね、考え方がかなり違ってたということは事実なんですけども。
 一番大事なのはね、今回鳩山さんが「5月末までに決着させます」と去年から言ってましたよね、僕はもう最初から無理だと思ったの。今年始めの国会討論で、僕代表者質問したんですけども、本当におやりになるなら、考え方は間違ってないと。だったら、3年間くらいかけて徹底的に取り組みますよと、任期あるんですから、衆議院解散までね、やりますと言わないと本気だと思われないし、また3年間くらいかけてやるということじゃないとやれませんよ、と言ったんですけどね、「いやそんなに長くは待てないから5月末までに」とずっと仰ってたの。再三聞かれても「5月末までにやります」と。「腹案もあります」と言われたの。その腹案ってのは、未だに必ずしも明らかにされていなくて、まあ、一部の人には「ウルトラCもあるんじゃないか?」とも言われてるんですよね。それはまだ100%は否定されてないんだけども、そのウルトラCも必ずしもうまくいってないから、もうできないと思うんですよ。公にもできないし。
 そういう混迷した状況なんですけども、現実的に考えるとね、やっぱりしかし、あの、やっぱ5月末決着ということに拘る必要は僕はないと思ってるんです。だからやっぱりね、その、今からでもいいからホントに地元、アメリカとも協議しながら、現実的なソフトランディングっていいますかね、方向を探る以外ないわけですよ。鳩山さんの責任は僕はどんどん追求したいけども、それだけ言っても解決しないから、部分移転だとか、負担の経験だとか、いろんなことが出てますけども、一部移転とか、こういうことも合わせてもう一回、一からやっぱり、考え直す、時間をかけてやったらいいと思いますよ。1~2年かけたって。

寺崎:川内さん、こういうこと(抑止力)を鳩山総理は信じ込まされて、それを言いに(沖縄に)行ったんですか? なんで今行ったんですかね?

川内:(総理は)沖縄に行って、沖縄の皆さんに大変な反発を受けるとわかってて行ってるわけです。外務官僚、防衛官僚、あるいは総理の周辺は、「現行の修正案で行くしかないのだ」と、総理にこんこんと言ったと思うんですけども、総理は、総理として沖縄に行って、「これは無理だ。県民の皆さんに大変な反発を受けている。反対された」ということを、身をもって実証しに行っているんだと私は思いますね。


■沖縄”初”訪問の目的は? 鳩山総理に県民怒りの声 与野党議員生出演■
寺崎:じゃ、反対言われるために今回わざわざ沖縄に行ってると?

川内:そうです。沖縄県内も無理です、と。そして県外も無理です、と。日本全国どこも海兵隊の基地を受け入れてくれる所はありません、と。そういうことを身をもって総理は実証しているわけですね。
 今度はそれを米国にきちんとぶつけなきゃいけないんです。まず、総理は仲井真知事に、「国外も難しい」と言ってるんですけども、「じゃあ、国外が難しいかどうかということを米側と協議してるんですか?」ということなんですね。してないですよ、現時点において。だから、現段階においては、外務省=防衛省=政府としての考え方は沖縄県内移設なんだが、それはもう難しいね、できないね、ということを総理は自ら実証したんだと思うんですよ。ここからがスタートですから。

寺崎:ちょっと確認したいんですが、わざわざ「反対だ~」と地元の人たちに言われるために身をもって行って、それをアメリカに言いに行くための材料を取りに行ったんですか?

川内:私はそう思いますね。だって、最後の総理のコメントは、「県民の皆さんのお気持ちは十分に理解した。身に染みた」と言ってるわけなんですね。そうすると、「これからも意見交換したい。受け入れるよ」と沖縄の皆さんが言うわけがないんですね。「これ以上勘弁してくれ」というのが沖縄県民の思いですからね。その思いをどんどん総理は吸収するわけです。そして、米国ときちんと交渉する。「そもそもグアム、テニアンに行くんでしょ?」ということをきちんと(アメリカに)言うということです。それが腹案ですよ。

コメ:そう言いたいのは分かるんですが、ちょっと無理があるのは、そうだとすれば、なんで総理をああいう形で行かせたのか? その前にきちんと総理の側近とか周辺、つまりアメリカの厚い壁に対しても、きちんと官僚を動かして交渉をし、ある程度地均しをして、あるいはもう一方では、官僚の壁というものを、きちんと自分が指導力を発揮して、確実に県外で臨むんだということをやりながら行かないと、やはりあれだけ沖縄県民に期待と希望を抱かせたのは総理自身ですから、その総理が、あそこに行って、徳之島っていうことまで出してるわけですね。これも失礼な話で、徳之島に行って出すんならばですけども、沖縄で出してると。そういうある意味での、刷り込まれたとすれば、それは宰相としての知性、指導力が問題になりますし、本来は県外にするんだけど、これから始まるんだということであれば、そのことをアメリカとどこまで交渉しているのか? やっていることはやっぱり、アメリカの日本出張所所長みたいな、米国の代理人的な発想が昨日垣間見られましたからね。そこのところは非常にやっぱり沖縄県民は、怒っているというよりも、悲しみ、悲憤慷慨という言葉がありますけども、そういう感じだと思いますよ。

丸山:川内さん(の話)聞くとね、鳩山総理の行動に、やっぱり、一貫性があって矛盾がないんだと。国外移転だということをするための、いろんな苦労なんだということ(=仮説?)を立てようとしてね、弁護されてるけど、やっぱりね、とてもそうも思えないわけよ。でやっぱりね、普天間の一部負担軽減とね、それからキャンプ・シュワブ沖にね、分散して、桟橋を作るとか、まあいろんな方法でね、手伝わされると、そういうことで、現実的にはそれしかないから皆さんこれを呑んで下さい、ということを、謝りとお願いに行ったと、ということにやっぱり取られますよ。それは、反発受けて、もう一回アメリカに行って叩きつけるための手段だというほどはね…○△×□…

川内:「政府として正式な案が決まっているわけではない」と昨日も発言されてますよね。

大下:これはまだ決まった案ではないと?
(辺野古沿岸部くい打ち桟橋案、徳之島へのヘリ部隊の一部移設または訓練の移設案の図が表示される)

川内:そうです。「県外を断念表明」ってマスコミで出てますけども、断念もしてないですよ。「県外は難しい」ということを伝えに行ったんですね。で、そこで大変な反対を受けている。今まだ意見を聞く過程ですよ、総理としてはね。
 で、今、川村さん(テレ朝コメンテイター)から、「総理にそんなことをさせるのはおかしいじゃないか、周りは何しとんじゃ」という話が出ました。もちろん私もそう思います。周りがしっかりしてればこんなことにはならないのに、というふうに思いますが、しかし、「最低でも県外」と発言されたのは総理ご自身です。選挙の時にね。その落とし前を自分自身でちゃんとつけに行くと。そして、もの凄い反対を身に染み込ませてアメリカと交渉しに行くんだと。やっぱり僕は、総理の一つの過程、国外移転、グアム・テニアン移転への一つの過程だと、そう思いますね。

丸山:(川内さんは)総理を買いかぶっておられるんですよ。

寺崎:今「最低でも県外」という話が出たんですけども、これについてもちょっと驚くべき発言がありまして――(最低でも県外に移設という)公約を覆したことの政治責任についてどう考える?という記者の質問に対して、「公約というのは選挙の時の考え方。党としての意見ではなく、私自身の代表としての発言」なんだと。これはちょっと…どうですか?

川内:言葉としては不適切だったと思います。自分自身が発した言葉に対して責任をとるんだ、ということ(=意味)の総理自身の言葉であったというふうに思います。ただ、表現としては不適切だったと思いますよ。言ったことはやらなきゃいけないわけですから。
 で、今日はこどもの日なので、お子さんもたくさん観てると思うんで、事実に基づいた議論をしなきゃいけないと思うんです。
 これは防衛省に作ってもらった資料ですが(と、手持ちの資料ををカメラに向ける)、グアムに航空戦闘部隊が1,856名異動すると。沖縄からです。書いてあるんです。この1,856名というのは、普天間の部隊のことなんです。普天間の部隊はですね、これは普天間基地の司令官にもらった資料ですけども("Marine Corps Air Station Futenma 海兵隊普天間航空基地 Colonel Dale M. Smith Commanding"という見出しの付いた資料のアップ)、2,000人なんです。ヘリのも含めてなんですよ。ということは、ヘリ部隊もグアムに行くということなんですよ。この、アメリカのグアム再編計画の中では。だから、そういうことをしっかりまずアメリカと交渉したんですか、ということが大事なんです。やってないんです、外務省も防衛省も。それを総理がこれからやる、と言ってるんです。

大下:では、アメリカに近々いらっしゃるということなんですか?

川内:そうです。あ、いや、総理が行くかどうかはわかりませんよ。しかし、…
(丸山氏が発言を遮って)
丸山:総理がどういう方針で解決するかという、大きな筋道を、やっぱりあの、国民に示しながらやらないとだめです。

川内:いや、だから、その筋道を示すために沖縄に行って、大変な反対を受けて、県外も無理だ、残るのは国外しかないわけです。

寺崎:(山本晋也)監督、しかしこの場合ですと、もし川内さんの仰る通りのことを考えているんだとすれば、総理は沖縄に行って、「私はアメリカにこれから交渉に行きますから、沖縄の皆さん任せてください」というふうに言ってもいいのかな、と思いますけど…
(丸山氏が発言を遮って)
丸山:謝る必要ないんだよ、沖縄の皆さん任せてくれと、最後までオレ支持してくれと、早いとこアメリカとやりますよ、ということを皆さん支持してくれと、こういう姿勢で行くべきじゃないの?

コメ:5月末ということを自らけりを付けてますからね、そこのところはもしかすると修正できる余地があるかもしれない。なぜなら、昨日行って、沖縄の県民の人たちは別に5月末だっていうことをこだわっていませんから、もっときちんとした解決をしてほしいということで改めて交渉します、鳩山政権の中で、これはきちんと解決したい、と言う余地はあるかもしれませんね。

丸山:もう少し時間をくれ、しかしトコトンやりますよと。みなさん沖縄の県民支持してくださいと。時間を下さい、というアプローチでいかないと。やっぱりね、川内さんのいう、複雑すぎてね、とてもそれは買いかぶりとしか思えないね。

監督:凄い深読みをすると、アメリカに婉曲にメッセージを送っているような感じもしますよね。「日本にはもう全然受け入れる余地がございませんよ。民意はそうですよ。黙ってみててそちらで判断なさいよ」というメッセージかもしれない。

川内:米国政府も焦ってると思うんですよ。

丸山:消去法ではそうなっちゃいますよね。

コメ:アメリカ政府もこの交渉は長期化するだろうということをもう言ってますからね。

寺崎:川内さん、7日にテニアンに行かれるという?

川内:そうですね、グアム、テニアンに行って、向こうの知事さんとお会いして、海兵隊を受け入れるよという話を聞いてきます。

大下:丸山さんがウルトラCと仰ったときに、川内さんが凄く大きく頷かれたんですけど(笑)

丸山:それは僕もちょっとまだ言えないんだけどね、聞いてんですよ、僕は。ホントそれやるんだったらね、僕は凄いと思うんだけども、まだそれがちょっと出せない…。

川内:協力してくださいよ。やりましょうよ、一緒に。

丸山:(苦笑)

寺崎:ちょっとまた機会を改めてお話うかがいたいと思います。

監督:ウルトラCってありますか?

川内:いや、グアムです。

監督:ウルトラC。

川内:グアムです。テニアンです。

監督:ウルトラCってありますか?

川内:ウルトラCっていうか、常識的な線です。ウルトラCでもなんでもない。ごくごく常識的な。

大下:また是非お話聞かせてください。今日はどうもありがとうございました。
(終)

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